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2018年7月16日 (月)

「パンク侍、斬られて候」:アナーキーさも今日的にマイルド

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映画『パンク侍、斬られて候』は、かなりアナーキーです。町田康原作×宮藤官九郎脚本×石井岳龍監督×綾野剛主演という組み合わせだけでも、かなりアナーキー(あるいはパンク)なものが出来上がる匂いがしますが、東映配給でかなりのスクリーン数で公開する割にはぶっとびまくっていて、製作のエイベックスさん、かなり胎(はら)が据わっていらっしゃいます。

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衣装から台詞から現代的で、というかわざと考証なんか無視しちゃってるわけです。クドカンがらみで言えば、『大江戸りびんぐでっど』みたいなもんですね。そういった自由でおバカなノリが、中盤以降は狂乱のアクションや、話す猿のシュールさで、どんどんレールを踏み外して行きます。ここらが石井岳龍だなあ。でも石井聰亙名義の時代だったら、もっと映画をぶっ壊してくれていたんでしょうねえ。

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とはいえ、この時代に、しかも還暦を過ぎた映画監督(石井は’57年生まれ)にそこまでの蛮行を期待するのは無理というもの。役者の狂いっぷりや、カメラの暴走などに、時を超えた「らしさ」を感じさせながらも、きっちりした「商品」に仕上がっておりました。だけど、突き抜けきれなかったうらみは残りますね。腹ふり党の群舞場面などは悪くなかっただけに、そこをもっとインド映画のように弾けさせて欲しかったところです。

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このふざけた顔ぶれの中で唯一生真面目な堅物を演じた東出昌大(この人、やはりこういうキャラクターだと生きますね)には、けっこう笑わせてもらいました。

幻想的に赤く染まった空に綾野のシルエットが浮かび上がるカットは、あたかも中野裕之の『SF サムライ・フィクション』のようでした。こういうケレン味のある絵をもっと見たかったなあ。

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» 『パンク侍、斬られて候』 嘘っぽい世の中をやり過ごすには [映画批評的妄想覚え書き/日々是口実]
 原作は町田康の同名小説。脚本には宮藤官九郎。  監督は『爆裂都市 BURST CITY』『シャニダールの花』などの石井岳龍。  時は江戸時代。とある街道沿いで主人公の掛十之進(綾野剛)が腹ふり党の残党だと思わしき男を斬り殺す。それを目撃した黒和藩藩士・長岡主馬(近藤公園)は「なにゆえ男を斬ったのか」と問いかけると、掛十之進は腹ふり党と呼ばれる邪教の恐ろしさを語り出す。  ...... [続きを読む]

受信: 2018年7月16日 (月) 23時08分

» 「パンク侍、斬られて候」 [お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法 ]
2018年・日本/エイベックス通信放送配給:東映 監督:石井岳龍 原作:町田康 脚本:宮藤官九郎 特撮監督:尾上克郎 製作:若泉久央 企画・プロデュース:伊藤和宏プロデューサー:湊谷恭史 芥川賞作家・... [続きを読む]

受信: 2018年7月16日 (月) 23時35分

» 劇場鑑賞「パンク侍、斬られて候」 [日々“是”精進! ver.F]
詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201806300000/ パンク侍、斬られて候 (角川文庫) [ 町田康 ] [続きを読む]

受信: 2018年7月17日 (火) 21時26分

» パンク侍、斬られて候 [象のロケット]
始まりは一つのハッタリ。 発令される隠密ミッション。“10人男たち”による腹の探り合いと、“1人の女”をめぐる恋の行方。 そして“1人の猿”が語り出す驚きの秘密。 最後に斬られるのは誰だ!? この世のものとは思えない物語の、はじまりはじまり…。... [続きを読む]

受信: 2018年7月20日 (金) 08時42分

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