「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」:「面白い」は力なり
映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』は、セクシー軍団が出て来るわけではなく、実話に基づく男女テニス・プレイヤーの一戦にまつわるお話。ま、『女と男のバトル』ってところです。
ビリー・ジーン・キング(キング夫人)って、エマ・ワトソンが演じてるので、とてもきれいではあるのですが、そして篇中でも二度ほど「美人」みたいなことを言われるのですが、実際の彼女って小生の記憶の中では・・・と思ったので、ネットで画像検索してみたら・・・、やっぱり小生の記憶は間違っておりませんでした。
それはさておき、映画の出来は予想以上。さすがは『リトル・ミス・サンシャイン』('06)、『ルビー・スパークス』('12)、そして2017年の本作と、5~6年に1本程度の寡作で、その代わり良質な作品を生み出す夫婦監督、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリスです。'70年代風俗の再現もたっぷりと、しかしその中に描かれる女性差別やLGBTに関する問題は、今日につながるものとなっています。
悪者の男(ビル・プルマンやスティーヴ・カレル)を戯画化的なほど強調して、観客にビリー・ジーンや女性を応援させる(もちろん大江戸も応援しておりました)単純と言えば単純な作りなのですが、これでいいのです。ハリウッド的エンタテインメントとして成立させながら、本当に言いたいテーマについても無理なく考えさせる力を持った作品です。「面白い」は力なり。
脇のキャラクターたちもそれぞれ印象的に描写されてまして、アラン・カミングなんか「いかにも」の役で、凄く説得力があって、いいですねえ。 それと、ボビー・リッグスの妻を演じたのがエリザベス・シューだとエンドタイトルで知って、びっくり。まあ『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2』から29年、『リービング・ラスベガス』からだって、23年たってるわけですから、変わりはしますよね。
監督が音楽のPVも多数手がけているためか、エルトン・ジョンの『ロケットマン』やジョージ・ハリスンの『美しき人生』を使ったシークェンスが、見事に輝いておりました。さすがです。
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コメント
<「面白い」は力なり
でしたね!
当ブログの上半期ベスト10で1位にしました(笑)
投稿: onscreen | 2018年8月 5日 (日) 00時39分
onscreenさん、上期ベスト1ですか! 小生はそこまでは行かないけれど、3本の指には入っているでしょうかね。
来年1月のベストテン、確かに豊作で激戦になりそうです。
投稿: 大江戸時夫 | 2018年8月 5日 (日) 23時00分