「未来のミライ」:くんちゃん、だだっ子すぎ!
映画『未来のミライ』は、ちょっと見間違えると「未来のミイラ」です。どんなのでしょうねえ?
とまあ冗談はさておいて、2006年『時をかける少女』、2009年『サマー・ウォーズ』、2012年『おおかみこどもの雨と雪』、2015年『バケモノの子』、2018年本作と、規則正しく3年ごとに良質な作品を送り出している細田守監督の新作です。期待も高かったのですが・・・
うーん、悪くはないんですけど、ちょっと期待に届かないかなあ。家族の中のとても小さな物語です。「血のつながり」「家族という命のリレー」みたいなテーマをしっかり打ち出しながら、家族のエピソードを積み重ねて行くのですが、小さい物語がつながっていく進行なので、全編を通した大きな展開がないのです。また語られている話も、4歳の男の子の小さな成長譚なので、これまでの諸作品のような大きな感動はありません。
もちろんそういう作品もあっていいと思いますし、大江戸なんかはむしろそういう小体(こてい)でささやかな物語って結構好きなのですが、そうは言ってもなんか物足りないのでした。映画的にダイナミックな場面というのも、終盤のパラレル未来的な東京駅と、最後の方の飛翔シーンぐらいでしたからねえ。 子育て物語としても、市川崑の『私は二歳』(この傑作を比較の対象に持ち出してはかわいそうですが)の足元にも及びませんし。
そもそも主人公のくんちゃんが、あまりにもだだっ子で、「いやいやえん」に入れたくなっちゃうほど聞き分けのない子なので、温厚で子供好きな大江戸もちょっとイラっと来てしまいましたし。 それとミライちゃんに今一つ精彩がなかったんですよねー。やはりアニメーションって、少女が輝いててくれないと、それだけで減点ですもんねえ。
3年後の次回作に期待して待ちましょう!
| 固定リンク
コメント