「レディ・バード」:親子(母と娘)の物語
映画『レディ・バード』は、多くの人が「あ、サクラメントってこういう町なのね。知らなかった。ふーん。」と感じるであろう作品。大江戸もそうでした。いやー、今どきこんなに敬虔で古めかしい倫理観のクリスチャン・タウンがあるんですねー。驚きました。
本作の監督であるグレタ・ガーウィグは、サクラメントの出身なんですってね。なるほど、自伝的要素たっぷりの監督デビュー作ってわけです。
共感できるとの声も多い主人公クリスティン=レディ・バード(シアーシャ・ローナン)ですが、うーん、大江戸はパスしたい感じです。かなり自意識過剰で、(父親が指摘しているように)自我が強くて、暴走気味で、かなりイタイ人です。NHKの朝ドラ主人公にいそうなタイプです。もっとも、そのあたりに共感できるってことなんでしょうけどね。
東京の住宅地育ちで、宗教にはほとんど関心が無く、男性である小生には、あまり響くものがありませんでした。もともとシアーシャ・ローナンってあんまり好きじゃなくってねえ・・・。
でも周囲の人物がいいんですよね。悪人がいないんです。中でもご両親が、静かに慈愛深くて、いい味出してます。 終盤の空港場面で、車の中で動揺し嗚咽を禁じ得ない母親の様子には、胸を打たれました。クリスティンが、親に与えられた名を初めて名乗る場面もうまい。これ、結局は親子(とりわけ母と娘)の物語なのでした。
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