「響 -HIBIKI-」:ビーンボールみたいなヤバい主人公
映画『響 -HIBIKI-』は(原作はまったく未読ですが)予告編を見て「お!」と思い、実際に観てみたら予想以上の出来でした。「天才」をめぐる物語として、実にワクワクドキドキでした。
小生がいくらメガネっ娘好きだからと言って、このビジュアルまではちょっと・・・というような、イケてないどころか怪しい人って感じで登場する欅坂の平手友梨奈ですが、これはなかなか見ものですよ。まあ、よく言う「天才と狂人は紙一重」ってところで、異常かつ暴力的なヒロインをガチで演じ切ってます。ほとんど「ビーンボール」みたいなヤバいキャラクターです。
原作が「マンガ大賞2017」の受賞作だそうですが、なるほど確かに面白いですもん。文芸という(時代遅れな)世界を舞台に、その光と影とを描きながら、ある種異形の「天才の物語」を、破天荒に成立させております。危険過ぎる主人公に、観る者もハラハラしながら、ラストまで一気に駆け抜ける感じです。細かく見ていけば「マンガだなあ」って所もありますけれど、そんなこと気にならないぐらいの生きの良い面白さです。それもこれも、この怪物的なキャラクターあったればこそ、なんですよねー。
監督は「青春映画の巨匠」みたいになってきた月川翔(なぜか哀川翔と一字違いですね)。シリアスもコミカルも手掛ける職人になってきましたね。
役者陣の中では北村有起哉や野間口徹が印象的でしたが、アヤカ・ウィルソンという懐かしい名前にも軽く驚きました。あの『パコと魔法の絵本』の少女が、こうなりましたかー。
暗い汚れ役の小栗旬にもびっくり。『銀魂2』と二本立てにしていただきたい感じでした(柳楽優弥も両作に出ていることですし)。
そして、「小説を語るなら、読んでからにしろ。」という至極真っ当な事を伝えてもおります。「映画を語るなら、観てからにしろ。」ですよね。
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