「太陽の塔」:アカデミックな太郎論&日本論
映画『太陽の塔』は、あの’70年万国博覧会の太陽の塔と作者の岡本太郎を題材にしたドキュメンタリー。ただ、ドキュメンタリーと言うよりも「インタビュー集」といった趣き。29人の知識人や表現者や論客が、いろんな角度から太陽の塔の意味に迫り、そこから日本という国や日本文化の正体にまで迫っていきます。
なので、「万博わーい。太陽の塔すごーい。」ってな作りの映画ではありませんで、えらくアカデミックです。縄文から曼荼羅から原爆から原発まで、アメーバから宇宙までを、語り尽くしていきます。語っている間は、ほとんどその話者をカメラがとらえているので、太陽の塔の映像は、意外と少ないのです。
もう半世紀近い年月が流れたわけですが、あの頃は異端児・岡本太郎を許容できる時代だったのですね。あるいは、それを押し通せる肝の座ったリーダーがいた時代と言いましょうか。でんもそのおかげで、太陽の塔はいまだに異物としての強い存在感とわけのわからないパワーで、私たちを魅了するのです。
渋谷駅の壁画『明日の神話』についても、語られています。あれは凄いですよねえ。いつも、よくぞここに設置したと思いますもん。
縄文時代風の(でもアヴァンギャルドな)女性が出て来る映像とか、ラスト~エンドタイトルにかけてのCGとかは、ちょっと疑問。ちょっと垢抜けておりません(まあ、太郎さん自身垢抜けてはいないわけですけど)。
いずれにせよ、知的な言葉の洪水で頭が疲れるような作品でした。
今日観た劇場は、この夏に渋谷シネパレス跡に居抜きで入った「シネクイント」。パルコ建て替えに伴って閉館し、数年ぶりの復活です。開館後初めて行きました。2スクリーンあるのですが、7Fスクリーンの2階席は、みんなペアシートになっていました。大江戸は2階席好きなので、こちらを選んだのですが、一人でここに座ってました。とは言え、真ん中に座るのも背もたれの具合が悪いので、一人分だけ使っていたのですが・・・。今日はガラガラだったので、一人でも入れてくれたのですが、混んでる時はそうもいかないのかもね。どうなんでしょう?
あと、昔同様「チケット・リターン」サービス(割引)があると書いてあったので、たまたま手元に残っていた昔のシネクイントの半券(2016年の『ヘイトフル・エイト』)を持って行ったら、それでも認めてくれて1,000円でOKでした。えらい!
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