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2018年9月 3日 (月)

「検察側の罪人」:面白いけどアラが多い

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映画『検察側の罪人』は、ジャニーズの二枚看板による新旧対決という娯楽映画の衣をまといながら、原田眞人監督が結構好き勝手やっちゃってます。実際、原作に自由に追加した要素が多いそうですね。

硬質で情報量の多い、隙のない画面。ユニークかつ独自のセンスを持つ美術。ラテンで統一した風変わりな音楽構成。台詞の分量の多さと早口の台詞回し。ああ、原田映画だよなあという刻印をたくさん見せてくれます。映画全体の緊張感とクォリティの高さ、役者陣の見事さもまた、原田さんらしさです。

ダンサーの足元と、「パッ!」と口を鳴らす癖と、異様な風貌で場をさらう酒向芳が圧巻です。この人、これまでノー・マークでしたねー。注目しておかねば(どうでもいいけどこの夏は『カメラを止めるな!』の「ポンッ!」と、本作の「パッ!」ですね。←なんのこっちゃ)。 また大倉孝二もいつになく凶悪なキャラを、うまく作り出しておりました。 松重豊はメフィストフェレスでしたしね。ここらへんの兵(つわもの)どもに較べると、ニノはいくら凄んで声を荒らげても怖くないですもんねえ。

それはそうと、インパール作戦やら「戦争のできる国」を目指す極右勢力やら、原田監督の創作部分が、どうにもきちんと噛み合わない(取ってつけたような)印象。これって、『日本の一番長い日』(傑作)が天皇擁護ってことで左派から総スカンを喰った原田監督が、いや自分はそんなことはないのだ、戦争を憎む者なのだと主張したかったってことなのかなあと思えてなりませんでした。

本作はツッコミ所多いですね。舌足らずなエピソードや、描き足りないので何が言いたいのかはっきりしない描写、行動の理由の薄弱さや説得力のなさ、などなど。そしてラストも、あんなもんですかい?っていう肩すかし感。うーん、面白いんだけど、やけにアラが多い作品なのでありました。

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コメント

> この夏は『カメラを止めるな!』の「ポンッ!」と、本作の「パッ!」ですね。

わはははははは。

松重豊はがメフィストフェレスと言うのはうちのブログでも例えております。

投稿: ふじき78 | 2018年9月 9日 (日) 21時45分

ふじき78さん、コメントどうもです!
ポンッ!と来て、パッ!となって、最後はプー!(プーと大人になった僕)でしょうか?

投稿: 大江戸時夫 | 2018年9月 9日 (日) 22時29分

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