「旅猫リポート」:世界基準だと変な映画 #旅猫リポート
映画『旅猫リポート』は、その名の通り猫映画であり、かつロード・ムービー。猫映画のブームもけっこう続いてますが、この作品も初登場週の興収第2位と、好調なスタートを切っております。結構ですね。結構毛だらけ猫灰だらけであります。
それにしても日本って変わった国だなーという感想を持ちました。福士蒼汰は20代後半(むしろ30歳近く)という設定だと思うのですが、そんな「大の大人」が猫のことで泣いたりパニックになったりする映画って、(コメディでない限り)世界中のどの国でもあり得ないと思うんです。そんなsissy(意気地なしとか弱虫とかいう意味)な男が主人公の映画なんかバカにされるだけでしょう。そんな平和な日本って嫌いじゃないけれど、ワールド・スタンダードで見ると「怪作」の領域なのかも知れませんね。
(以降ネタバレあり) また、これって本当に「死病映画」にしなきゃいけなかったんでしょうかねえ。なんでもかんでも重要人物(主に主人公)を殺しちゃうことで物語を成立させようとするドラマツルギーって、いかがなものでしょう? 商業映画として、安直のそしりを免れ得ないのではないでしょうか。 その他の進行やディテールにも類型的だったり安直だったりするものが多々ありました(主人公の友人の暴君的父親の造形とかね)。
典型的、類型的な人情噺になっていたり、映像のルックは小ぎれいなのに、どこか洗練され切ってなかったりするあたりが、いかにも松竹映画です。 広瀬アリスの件りが悪くなかったですね。若い女性がほとんど出て来ない映画なので(そりゃあ、女の子よりネコって映画ですからね)、アリスさん儲かっちゃいましたけど。
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コメント
> 「大の大人」が猫のことで泣いたりパニックになったりする映画って、(コメディでない限り)世界中のどの国でもあり得ないと思うんです。
「ボブという名の猫」で猫が失踪して、人生終わったように落ち込む主人公とかもありましたが、やはり、日本は鍋島猫騒動みたいに過度に動物に感情移入しちゃう国でもありますからね。いい年した大人がパニくるのも許してやってください。
日本の場合、ノラが捕まえられたりすると場所によっては殺処分受けたりみたいな環境もあるからパニくるのかもしれない。
投稿: ふじき78 | 2018年11月 7日 (水) 11時03分
おお、ふじき78さん、『ボブ猫』そうでしたっけ? すっかり忘れてました。
まあ内田百閒先生もノラがいなくなって、悲嘆の日々を過ごして、本1冊できちゃいましたからねえ。
投稿: 大江戸時夫 | 2018年11月 7日 (水) 23時07分