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2018年11月 3日 (土)

「ライ麦畑で出会ったら」:実体験の物語   #ライ麦畑で出会ったら #サリンジャー

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映画『ライ麦畑で出会ったら』の原題は“Coming through the Rye”。そう、『キャッチャイー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)』というタイトルの元となった曲の一節であります。なんと監督のジェームズ・サドウィズの実体験をもとにした物語なんだそうです。若者のサリンジャー探訪の旅の物語---これは卒論がサリンジャーだった小生としては、観ないわけにはいきません。

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しかしながら、観ている間ずっとこの主人公にイラっとしてました。やること成すこと、あまりといえばあまりにホールデン的と言いましょうか・・・。ガキでナイーブすぎてめんどくさい。でもそう思うのは、こちらがフォニーな大人になっちまったってことなんでしょうかねえ?(汚れつちまった悲しみに)

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(以降少々ネタバレあり) それにしても、これだけ堂々とサリンジャーを登場させるとは大胆ですね。本名にせずに名前を変えて登場させたり、逆光でよく見えなかったりというのは、ありそうな(あるいはあった)手法なのですが、クリス・クーパーがガチで演じちゃってますからねえ。こう言っちゃあ何ですが、出たとたんにダメでした。似てないし(顔、もっと長くないと)。なんか顔が出たとたんに、気恥ずかしい思いがいたしました。

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終盤で演劇アレンジ版『キャッチャー~』が学校で上演された場面は、もっと見たかったぐらいですね。フィービーが出て来た時には、ちょっと感動しましたよ。

この映画、作品としては食い足りないものです。サリンジャーの隠遁後のエピソードを知る者にとっては、典型的に「よくある話」であり、主人公は単に自意識過剰で迷惑な奴です。でもまあ、隠遁期のサリンジャーってこんな感じでしたと多くの人に知らしめるためには、悪くない(必要な)映像化だったと思います。

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