「ボヘミアン・ラプソディ」:圧巻のラスト21分 #ボヘミアン・ラプソディ
映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、大ヒット中のクイーンの伝記映画であり、むしろ演奏シーンを楽しむ作品。でもこれ、ヒットするのわかります(少なくとも日本で)。実際客層は当時からのファン層が久々に映画館に来ましたって感じで、50-60代が多かったですし、若い観客も結構いるのです。前者の人たちは観終わってロビーで涙を拭きながらキャーキャーやってましたし、二十歳ぐらいの男子二人は興奮した面持ちで「ヤバイ!ヤバイ!」って言ってました。リピーター続出しそうです。
フレディを中心としたクイーンの足跡を追っていく物語部分は、非常にオーソドックス。多くのコンプレックスや悩みを抱えたフレディの苦悩に関しても、まあ普通にありがちな描写です。でもクイーンの曲が流れると、にわかに画面が活気づきます。でも曲を堪能する間もなく、途中で終わったり断片状態で使われたりするのです。まあロック・ミュージカルではないので、それは詮無きことかも知れないのですが、「物足りない。もっとフルで聴きたい。」が蓄積していきます。
で、最後の21分つまりライブ・エイドのステージ再現シーンで、これまでの「タメ」を吐き出すかのようにたっぷりと見せて聴かせてくれます。ステージの熱狂と観客席の興奮、そして上空からのスタジアムなど見事なショットを圧巻の編集でつないで、パワフルに魅せ切ります。7万5千人の大群衆をセットとCGで再現して、リアルに迫ります。ライブ再現映像の最高峰と言える出来でしょう。このクライマックスで、すべてサイコー!に転じるって寸法です。その「映画の力」に感動して、ちょっと泣きそうになりました。
そしてフレディが降臨したかのようなミラ・マレックの超絶パフォーマンス。彼の演技は、この場面に限らず陰影に富んだ素晴らしさでした(男優賞ものです)。付け歯を入れても、あまりフレディには似てないんですけどね。
それから、オープニングの20世紀FOXマークにかかる曲がエレキギター・アレンジになっていると思ったら、あれブライアン・メイとロジャー・テイラーが手がけてるんですってね。わお!
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