「おかえり、ブルゴーニュへ」:ワインは農産物 #おかえり、ブルゴーニュへ
映画『おかえり、ブルゴーニュへ』は、その名の示す通りブルゴーニュを舞台にしたワイン造りの物語。それに絡めて家族の問題を描いていて、むしろそっちが本筋なのですが、大江戸としてはやはりブルゴーニュのワイン造りの方に目が行きました。 かつてフィクションの中で、ここまでしっかりとワイン造りが描かれたことはなかったかも知れないですね。
この映画を観てると、改めて「ワイン造りは農業」だなあと実感します。天候にやたらと左右されますし、微妙な要素の組み合わせで(最後はカンで)収穫の日を決断したりするんです。その後の足でブドウを踏みつける工程なんて、実にトラディショナル。 しかもブルゴーニュのドメーヌはみな小規模なので、こういう家族的な感じなんですよね。これがボルドーだと、もっと大規模で産業の匂いがするみたいですから。
前半はかなりワイン造りを描くことの比重が高いので、それを興味深く観ておりましたが、後半になってワインができちゃうと、あとは家族の人間関係の話になっていくので、割とどうでもいい感じ。しかも終盤、何度か終わりそうな雰囲気になるのに、なかなか終わらない・・・の繰り返しで、ちょっと困りました。
でも観ていて感じるのは、「やっぱりフランス人はワインの基礎教養があるなあ」ってこと。普通の娯楽映画(フィクション)の中で、これだけワインのことを(専門用語的な語句も交えながら)語ったり描いたりするんですもんねえ。
繊細で複雑なブルゴーニュのいいワインを飲みたくなる映画であることは確かです。
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