「鈴木家の嘘」:巷の評価は高そうですが・・・ #鈴木家の嘘
映画『鈴木家の嘘』はえらく評判が良いようですが、大江戸はダメでした。どうにもこうにも愁嘆場が多いですし、その愁嘆場一つ一つのカットが長過ぎてしんどいです。そもそもこの題材で2時間13分というのは、長過ぎですよね。30分つまんで、ちゃっちゃかテンポ良くやってほしい感じです。
長編映画としては監督デビューとなる野尻克己さんが脚本も手掛けた本作、やはり大江戸がいつも言っている「脚本書いた人が監督もすると、どうしても切れなくてそのまんま撮るから、作品が冗長になる」という法則の通りとなりました。また、笑いに関しても今一つなんです。オフビートなくすぐりはいいんですけど、使い古されたようなクリシェも多く、切れ味が悪いというか、タイミングを外しているというか・・・。
原日出子さんが好演。しかしながら、一人座って号泣する場面はやり過ぎ、長過ぎではないかなあ。 岸部一徳さんは、変わらずいつもの岸部さん。 そして、『菊とギロチン』では女相撲、本作では新体操をそれ相応以上のレベルできっちり見せている「体技の女優」=木竜麻生。ただ、この人の長ーいワンカット愁嘆場も(大江戸的には)しんどかったですねー。
大江戸は体質的に「湿っぽい」映画、ウェットな家族ものが好きではないので、厳しくなるのかもしれませんが、登場人物たちの「泣き」場面が多い映画は、ろくなもんじゃないと思いますよ。
ラストも、「再生」を感じさせるものなんでしょうけれど、なんだか拍子抜けしたような終わり方でもあるのでした。
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