「チワワちゃん」:無常の世界 #チワワちゃん #二宮健 #松本穂香
映画『チワワちゃん』の舞台挨拶を1月19日にバルト9でやるっていうんで、その券はチケットぴあでしか扱ってないって言うんで、1週間ぐらい前にネットで確保したんですよ。だけどねえ・・・事前発券しなきゃいけないことをすっかり忘れてて、当日15分前ぐらいにバルト9の前に着いた瞬間、「あれ?どのメールだっけ・・・」ってことになって、「うわーー!!」ってなって、あーだこーだ努力したけど、結局アウトでした。発券できずに舞台挨拶も本編もアウトでした。2,000円パアでした。予約した時にちょうどスマホが壊れてて、家のPCから予約したので、スマホには通知が残ってなかったし、チケットぴあはそんなに頻繁に利用しないのでパスワード忘れちゃって、どうしてもログインできなかったし・・・などといくつものアンラッキーが重なった結果なのです。いや、まいりました。悲劇でした。舞台挨拶で、『アスアブ鈴木』に続いて松本穂香にお目もじできるはずだったのに!
そんなこんなで、翌日仕切り直しての鑑賞。なにしろ二宮健監督の前作『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』(リミスリ)を、一昨年の邦画第1位に選んだ大江戸ですから、期待大でした。今回は予算アップ&メジャーな役者たちを使っての勝負作。で、どうだったかというと、うーん、良い所も多いのですが、『リミスリ』の凄さには届きませんでしたねえ。カラフル&ポップ&クレイジー&セクシャル&コンテンポラリーなニノケン・ワールドは健在というか、むしろパワーアップしているのですが、少し常識的な映画になっちゃったのかなあ。
乱痴気騒ぎのカラフルポップな映像デザインとクラブ・ミュージックは、まさに二宮健ならでは。こういう強い個性に活躍してもらいたいなあ、日本映画は。 でも、チワワ役の吉田詩織や成田凌や玉城ティナや村上虹郎あたりは、あっさりとこの世界に溶け込んでいるのですが、門脇麦の違和感が凄くって・・・。いやー、「この人たちの仲間にはならないでしょ、あなた」って感じ。何か、猫カフェにイノシシがいるぐらいの違和感なのです(原作は読んでないので、このキャスティングが当を得たものかどうかわからないのですが)。
でも、全篇に漂う無常観は何とも胸に迫るものがあります。っていうか、観た後で家に帰ってからも、寂寞とした無常の感覚が胸にじわりと残っているのです。『平家物語』かよっ!って程に・・・。ラストの東京湾のブルー基調の映像なんて、ものの見事に無常で・・・しみます。
あと、映像的には『時計じかけのオレンジ』へのオマージュ(コマ落としとボカシ)場面があったり、ちょっと『ネオン・デーモン』的な場面(浅野忠信がらみ=ここでのシャッター音の暴力性はスゴイ!)があったりで、そこらも大江戸の趣味と合致しているのでありました。
松本穂香は最後になって、ちょこっと出て来ました(二宮監督とは『MATSUMOTO TRIBE』のご縁がありますからね)。素朴にカワイイ役柄で、ヘヴィーな料理の後の果物みたいでした。
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