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2019年1月 5日 (土)

「アストラル・アブノーマル鈴木さん」:舞台挨拶も   #アスアブ鈴木 #松本穂香

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新宿のシネマカリテで、映画『アストラル・アブノーマル鈴木さん』の初日舞台挨拶付き上映に行って来ました。ナマの松本穂香を見よう!と、気合入れて席の販売と同時にネットで取ったので、最前列。松本さんまで2mちょっとという近さでした!

 

舞台挨拶には大野大輔監督や、共演者の方々も登場し、良い雰囲気。松本さんは映画の中の鈴木ララとは違って、いつものようにおとなしめ。緑のチェック柄ワンピースをふわっと着こなして、小柄でキュートなのでありました。

 

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ロビーには、映画の中で主人公のララが着ているヒュンメルのジャージ上下とサンダルが展示されておりました。

 

この『アスアブ鈴木』は去年YouTubeで公開された(もちろん今も見られます)「夜の連続YouTube小説」。1話5~10分ぐらいで、全17話。それを再編集して、87分の映画としての公開となりました。堂々の(?)お正月映画です。すごいですね。

 

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大江戸はもちろん全話見ておりますが、ま、映画もほぼYouTube通り。編集で大きく変えたり、たっぷりと秘蔵カットを足したりはしていません。でも、それなのに、観た後の印象がだいぶ違うのです。

 

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映画の方は、ちゃんと「映画」になっていました。ララの鬱屈や狼狽や哀しみが、映画的にきちんと表現されていて、胸を打つものとなっているのです。心に傷を負った者の成長物語にさえなっているではありませんか。ラストのララには、ほのかに希望すら感じられるではありませんか!

 


その一方で、オフビートな「ジワる」笑いも健在。大野監督の、この変な感覚、いいですね。貴重です。 そして、かなりいいセリフ、名セリフ、含蓄に富んだセリフも多いのです(脚本も大野監督)。そういった意味で、今後が楽しみなクリエイターだと思います。

それにしても、あの映画史上最もグダグダで、絵にならないケンカ・シーンのフィックス・ワンカット長回しは、忘れられませんよねえ。これを撮っちゃうって、やっぱり何らかの天才です。

 

366034_004でも、この作品はやはり松本穂香の怪演に尽きます。一人二役でもありますが、基本的にはララの造形が最高にパンクで、しかしながら複雑な人間の深さを持っていて、いいのです。コンプレックスまみれの凡才が、「天才」を理解することはできて、それに嫉妬したり憎んだりするってことにおいて、『アマデウス』みたいなテーマでもあるのです(ララ=サリエリ)。

 

松本穂香の本質って、「変なやつ」だと思います。そもそも『ひよっこ』の澄子が、最高に「変カワイイ」子でしたけど、この映画の演技も「事務所的にOKなの?」と心配するほど、変で素晴らしいのでありました。 それが爆発するのはエンドクレジットに歌がかぶる背後で1曲分狂ったように踊り続けるところ。うわ、変! これで離れていくファンすらいそうなヘンテコさですけど、大江戸にとっては「このヘンさこそが、松本さん」なのです。エンドタイトルバックの狂ったようなダンスということにおいて、『パズル』の夏帆と双璧だと思います。

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