「天才作家の妻 40年目の真実」:主役二人の見事な芝居 #天才作家の妻 #40年目の真実
映画『天才作家の妻 40年目の真実』の原題は、“The Wife”。シンプルです。スウェーデン人監督によるスウェーデン・英・米合作映画です。 (以降少々ネタバレあり)で、この作品では『メアリーの総て』同様、メンズ・クラブの文壇において、女性作家というものが存在できなかった苦悩の時代を描いております。メアリー・シェリーの時代ほど昔ではないのに、半世紀ほど前でもやっぱりそうだったんですねえ。
とにもかくにもジョナサン・プライスとグレン・クローズの二人が見事なのです。グレン・クローズの方が受賞が多く、オスカーも有力視されているようですが、いやいや、小生はむしろジョナサン・プライスの素晴らしさを強調しておきたいですね。 そしてクリスチャン・スレイターって、久々にお目にかかりましたよ。
見事な夫婦喧嘩映画にもなっているわけですが、いやあ夫婦で観たら結構ホラーな映画ではないでしょうかねえ。小生の場合やはり男性の立場で観るわけなので、終盤の修羅場なんかはもういたたまれない感じでありました。でもその後の展開などは、かなり感動的でもあり、上質な作品となっておりました。
単純に誰が正しい、誰が悪いというような物語ではなく、夫婦関係の機微と時代相及びジェンダーの問題を掛け合わせた複雑玄妙な味わいを見せております。でもとにかく、この主役二人を得た時点で「勝ったも同然」だったのでしょうね。
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