「メリー・ポピンズ リターンズ」:古き良きスタイル #メリー・ポピンズリターンズ
映画『メリー・ポピンズ リターンズ』は、見事に古典的ディズニー映画。あえて現代に、このオールド・スタイルを持ってきましたが、作品にハマってます。何しろオールドスタイルの2Dアニメに人物を合成させるって、半世紀以上前のリメイク元の作品と同じことをやったり(古めかしいテイストのままに)してますけど、実は大江戸、この名作を観落としております。でも場面場面のフッテージは、いろんなところでお目にかかっております。
ハリウッド流の古式ゆかしきミュージカルです。で、監督はロブ・マーシャル(『シカゴ』『NINE』など)ですから、ミュージカルの見せ方は心得ております。ダンスの場面になると、その安定感がよくわかります。ショットのサイズとカット割りが的確です。ダンスの美しさや技がわかるサイズをベースに、バストショットやロングショットを的確に織り交ぜて、躍動感を出したりするのです。うまいものです。
カラフルな衣装はサンディ・パウエル。『恋に落ちたシェイクスピア』や『ギャング・オブ・ニューヨーク』や実写版『シンデレラ』の名手です。『シンデレラ』に次ぐ登板ってことで、ディズニーからの信頼も篤いんでしょうね。バンクス家のテーマカラーがグリーンだとか、空を飛ぶ人は主にブルーだとか、色遣いの計算が行き届いております。
『チムチムチェリー』や『スーパーカリフラなんちゃらエクスペリドーシャス』といった前作の有名なナンバー(さすがに知ってます)は使われていないのですよね。代わりの曲も、新たなスタンダードナンバーにはなりない感じ。そこらの弱さはあります。 あとディック・ヴァン・ダイク(これまた知ってます)が出演して、ダンスまで踊っているというのも、前作のファンには嬉しい驚きでしょう。 そのダイクに替わる(煙突掃除夫ならぬ)ガス灯点灯夫(?)のリン=マヌエル・ミランダ(なんか女性っぽい名前ですよね?)って、小太りだしカッコ良くないなーと思ておりましたが、ブロードウェイ・ミュージカルのスターのようですね。知りませんでした。
エミリー・ブラントのメリー・ポピンズ、悪くなかったと思います。そして、作品自体も悪くないです。多くの子供たちに観せたい作品です。ちょっと長いし、中だるみするけれど、終盤の展開や気分の良さは、やはり古き良きハリウッド・スタイルであります。
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