「七つの会議」:怪獣総進撃 #七つの会議 #池井戸潤 #福澤克維
映画『七つの会議』は、TBS制作で、福澤克維監督で、池井戸潤原作という「日曜劇場」シリーズの映画版みたいな作品(まあ小生もこのシリーズ全作品見ていたわけですが)。実際この豪華キャストを見ると、どの顔もどの顔も『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』から『陸王』『下町ロケット』に至る諸作品に出ていたというか、大きな印象を残した面々でして。テレビと同じような役柄を演じている人も結構いて、笑っちゃいます(終盤、Yさんもカメオで出て来ました)。
でもさすがに本家本元の福澤克維さんが手掛けているだけあって、勘所は外さないというか、119分の上映時間を1分たりとて飽きさせない密度の濃さを見せてくれます。昨年公開の池井戸潤原作『空飛ぶタイヤ』は、なんか連続ドラマの総集編ダイジェストを見るかのような作品だったのですが、こちらはそんな事もなく、ぐいぐい引き込んで突っ走る娯楽映画になっていました。
ただバカバカしいほど極端にデフォルメした演技と、マジかよ!と言いたくなるほどアクの強い演出は笑っちゃいますし、観客を相当低レベルだと思って作ってるように見えちゃうんですよね。まあでも、そう目くじらを立てずに、それにツッコミを入れるぐらいの「大人の鑑賞態度」がよろしいんじゃないでしょうかね。相変わらず香川照之とかは、血管切れそうな顔芸を披露してます(笑)。彼と萬斎さんの対決などは、キングコング対(シン)ゴジラのようであり、かつ歌舞伎対狂言にもなっているんですよねー。それを言ったら、北大路さんなんかキングギドラ(笑)。
常に女性は添え物扱いになってしまう池井戸シリーズですが、本作でメガネOL役の朝倉あきは、添え物としての良さを放っておりました。ってゆーか、濃すぎる怪獣たちの中の一服の清涼剤効果ですね。
戯画化づくしの作品とは言え、そんな中にも数多くの「日本の会社あるある」が見つけられることと思います。そんなリアリティが、池井戸作品の人気のもとなんでしょうねえ。
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コメント
朝倉あきちゃん良かったなー。
Yさんが出てきた時は、全く話を聞いてなかったから、マジそっくりさんか何かかと思ってしまいました。
投稿: ふじき78 | 2019年2月11日 (月) 23時55分
『怪獣総進撃』的には、朝倉あきはモスラかなと…。
Yさんは何だろなー。アンギラスあたりでしょうか。
投稿: 大江戸時夫 | 2019年2月12日 (火) 12時17分
こんにちは。トラックバックをありがとうございました。
確かに歌舞伎vs狂言…それも勝負つかず、な大バトルで、ちょっとお腹いっぱいな感じでした。
投稿: ここなつ | 2019年2月13日 (水) 12時55分
ここなつさん、
更に檀れいとか市村正親とか出演させたら、歌舞伎対狂言対宝塚対劇団四季になって、混迷の度合いが深まりますよ。
投稿: 大江戸時夫 | 2019年2月13日 (水) 13時06分