「翔んで埼玉」:荒唐無稽に笑えます #翔んで埼玉
映画『翔んで埼玉』は、あの未完のマンガを映画化。このご時世に、埼玉県民をディスりまくる映画なんか作っちゃって大丈夫なんでしょうか?と心配したものの、最終的には埼玉への愛すら感じさせる作品に仕上がっていました。とにかく笑えますし。日本映画で、これだけ荒唐無稽に笑える作品も久しぶり。ヘタすりゃ本作と同じ武内英樹監督による『テルマエ・ロマエ』以来じゃないかしらん?
原作は未完で、映画の中ほどで終わっちゃってます。なので作品として成立させたのは、脚本家(徳永友一)の腕です。(以降ネタバレあり) 埼玉だけに留まらず、ライバルの千葉、さらには神奈川や群馬や栃木にまで言及している脚色がよく出来ています。なにしろ埼玉の中においても、熊谷やら春日部やらを具体的にぶっ込んで来ますし、浦和と大宮の対立を大きくフィーチャーしたりして、原作の発想をどんどん飛躍させていくのです。
流山での埼玉と千葉の激突においては、出身者の大型カード対決などというシュールなほどバカバカしい事をきちんと絵にしていて、いやー、好きだな、こういうの。笑えました。
東京都庁周辺のクライマックスでは、あたりの道を人が埋め尽くしている光景が空撮映像で出て来るのですが、あれ東京マラソンじゃね? そこらもとぼけてて、笑っちゃうところですし。
衣装や美術、何よりもGACKTやら京本政樹やらのキャスティングが、作品を異空間に解き放って、この大ウソを成功させました。武田久美子も久々に見たなあ。
車で埼玉から東京に向かうブラザートム、麻生久美子、島崎遥香の家族を絡ませたところも、この脚色の秀逸な所。これによって、埼玉愛のようなものがきっちり打ち出せました(たぶん)。 古来から笑いってやつは多分に「差別」と関わっています。だからこそ、そこを解消するようにして、気持ちよく終わらせなきゃいけない。本作は(巧妙に)そのあたりがうまくいっていると思います。埼玉県人にもお勧めできます。大江戸はもちろん東京人なので、そう言っちゃうと嫌味かなあ。
新宿バルト9で観たのですが、ロビーにはGACKTと二階堂ふみのゴージャスな衣装が飾ってありました。
そして、男子トイレの「小」の前にはズラリとこのポスターが貼ってありました。作中の台詞をもじって、「トイレをきれいに使えないやつには、そこらへんの草でも食わせておけ!」ですって。
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