「バーニング」:「太陽がいっぱい」×「チワワちゃん」 #バーニング
映画『バーニング 劇場版』ですが、小生などは『バーニング』と聞くと、「バンボロという怪人が大きなハサミで襲って来るホラー。広告コピー的には「ジョギリ・ショック」ってのが思い出されるのですが、それとはまったく関係のない高尚な作品であります。イ・チャンドン監督作品ですもんねー。
原作は村上春樹の短編『納屋を焼く』。昔読んだけど、どういう話だったかほぼ忘れてます。なので原作の事は忘れて、虚心坦懐にこの映画に向かうと、作中でも言及される『華麗なるギャツビー』的要素があるよねって事に気づきます。
しかしながら、それ以上に近いのは『太陽がいっぱい』の世界。持てる者と持たざる者、三角関係、軽蔑と嫉妬とコンプレックスと憎悪--うん、『太陽がいっぱい』ですよね。
でもそれはそうとして、この映画、先頃公開された『チワワちゃん』にも似た所がありますよね。三角関係的になる女の子の失踪、金を持った若者のパーティー三昧、にもかかわらずの希薄な人間関係、そして絶望的に空虚な無常観。
ただ、絶賛評の多い本作ですが、大江戸は好きではありません。オリジナルなラストに関しても、納得がいきません。 映画ならではの方法で、文学をやっていることはわかりますが、うーん、小生の嗜好とは肌が合わないのです。
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