「グリーンブック」:良きハリウッド映画の見本 #グリーンブック
映画『グリーンブック』は、まさにアカデミー作品賞だという風格と面白さ。笑えて、引き込まれて、感動もあります。良きハリウッド映画のお手本みたいな作品です。これを作った監督が、数々のお下劣(&差別ネタ)映画を撮ってきたファレリー兄弟のピーター・ファレリーだとは! 人間って変わりますねえ。「差別によるブラックな笑い」というこれまでの方向を、黒人差別の史実に寄せて、王道的なものを作ったら、こんなに素晴らしくなっちゃったって感じです。
ヴィゴ・モーテンセンとマハーシャラ・アリのコンビネーションが絶妙で、素敵です。そして、映画が進行するほどに、この人たちの様々な顔や人間性の変化が見えて来て、じわりと味わい深いのです。終盤からラストにかけての感動的な味わいとユーモアなどは、良い映画の見本と言わずして何と言いましょう。
ヴィゴ演じるトニーの奥さん役リンダ・カーデリーニも’60年頃の時代の雰囲気を出しながら、好演してます。感じのいい人です。
まあ、とにかく脚本がよく出来ているのです。出だしから無駄なくテンポよく進行して行き、一切ダレ場がありません。言葉ではなく、行動を通じてキャラクター付けをして行きます。うまいなあ。
そして「成長物語」にもなっているところが、気分の良いところです。結局、あらゆる差別、無理解というのは、「知らないこと(コミュニケーションの欠如)」に起因しておりますから。現代のアメリカおよび世界へのメッセージという意味においても重要な作品です。まさに、アカデミー好みであります。 快調に130分を駆け抜けます(もっと短く、そう、110分ぐらいに感じられます)。老若男女にお勧めできる作品だと思います。
| 固定リンク
コメント