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2019年3月28日 (木)

「半世界」:普通の人々の人生ドラマ   #半世界 #稲垣吾郎 #長谷川博己 #阪本順治

365412_006 映画『半世界』をようやく観ましたが、かなり良い出来でした。阪本順治作品とはイマイチ相性の良くない大江戸なので、(世評とは裏腹に)前前作『団地』は「ひどいね、こりゃ」とあきれ返り、前作『エルネスト』では見直したところ。この『半世界』は、人間たちを深く見つめ、見事に描いたドラマになっております。 そもそも主役の稲垣吾郎が市井の普通の(不器用で口数の少ない、そして田舎の)男を、オーラを消して演じていて、その雰囲気が作品の基調にもなっているのです。『まく子』の草彅剛も悪くなかったけど、本作の稲垣は実に「男稲垣」になっていて、良かったです。今後への可能性を感じさせます。

 

 

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で、稲垣と長谷川博己と渋川清彦の幼なじみ3人の醸し出す友だち感が、何とも良いのです。この永遠の「仲良し感」。 それのみならず、稲垣とその妻(池脇千鶴)との関係、稲垣と息子との関係、息子といじめっ子たちのエピソード、どれも描写が優れています。そして、人物一人一人をきちんと描いています。いい脚本だなあ(阪本のオリジナル)。

そして、役者たちがキャラクターに命を吹き込んでいて、一人一人が愛おしい感じです。みんな芝居が良いのです。 渋川の「味」や池脇の「技」はいつもながらに素晴らしいのですが、長谷川博己の「押し殺していた狂気の爆発」は圧巻でした。何しろその場面の最後には、顔がシン・ゴジラになっていましたもん(マジで)。

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こういう地味な、原作無しの、地方の炭焼き職人と海外派兵でPTSDになった元自衛官の映画なんて、なかなか興行的には歓迎されないでしょうから、これを作った方々には敬意を表したいですね。まさに、良質の日本映画ですもん。自衛隊の海外派兵のPTSDを描いた日本映画って、小生は初めて観ました。市井の一人一人の普通の人々にも、それぞれの人生のドラマがあるっていう映画です。 

(以降ネタバレあり) 終盤、夫の身に重大事が起こった知らせの電話を電車の中で受けた池脇/カット切り替わって、外からのロングショットで、電車のドアの所で崩れ落ちる池脇を撮った場面には、心を揺さぶられました。「これが映画」っていう描写でした。 阪本作品をこんなに良いと思ったのは、『魂萌え!』以来です。そう言えば、あの映画にも主婦が電車のドアにもたれかかっているカットがあったんじゃないかな。

 

 

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