« 「ウトヤ島、7月22日」:事件を体感する   #ウトヤ島、7月22日 | トップページ | 「えいがのおそ松さん」:ほろ苦い笑い   #えいがのおそ松さん #おそ松さん »

2019年3月20日 (水)

「女王陛下のお気に入り」:ランティモス流娯楽映画   #女王陛下のお気に入り #ヨルゴス・ランティモス

365099_001_1映画『女王陛下のお気に入り』は、ヨルゴス・ランティモスがメジャーになったもんだねえ、って感じの作品。でも、かなり珍品ではあります。いつもの毒も薄めなんですけど、こういったメジャー作の領域ではそれですら過激というか、ある種の違和感を作品に与えております。
とは言え、いつものランティモスに較べると、(耽美的だけど)かなり普通の映画って印象です。まあ、普通の娯楽映画としてもある程度は観ていられます。黒いコメディ、(日本でよく言われている)『大奥』的な権謀術策のドラマ・・・。
365099_002_2でもやっぱり根が変態なランティモスですから、ところどころに「普通の娯楽映画なら、そうしないだろ」的な色合いを帯びています。そして、最終的には普通に面白い映画なんぞにはなっていないあたりも、実にランティモスです。そうは言っても、『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』の“極北”ぶりに較べると、随分手ぬるいんですけどね。
一方、耽美的世界は終始高いクォリティで圧倒します。広角レンズも用いながらの芽を奪う映像美。独特のカラー。美術や衣装(=サンディ・パウエル!)の精緻と徹底。そこらは、一級品ですねえ。ピーター・グリーナウェイを思わせます(悪趣味な所があるのも、グリーナウェイっぽいし)。
世間では三人の女優(特に女王役のオリヴィア・コールマン)の演技を絶賛しておりますが、大江戸はそこまでとは思いませんでした。少々戯画化的過ぎるし…。オスカーの主演女優賞は、オリヴィアよりもグレン・クローズ(『天才作家の妻 -40年目の真実-』)にあげたかったです。
ああ、ココログが大リニューアルを行って、いろいろ使い勝手が変わってしまいました。自分でもぼちぼち対応していきたいと思いますが、何と言っても、とうとうトラックバック機能が終了してしまったことがかなりショック! 各社の先行事例を見ていたものの、「ココログよ、お前もか!」って感じです。悲しいですね。

|

« 「ウトヤ島、7月22日」:事件を体感する   #ウトヤ島、7月22日 | トップページ | 「えいがのおそ松さん」:ほろ苦い笑い   #えいがのおそ松さん #おそ松さん »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「ウトヤ島、7月22日」:事件を体感する   #ウトヤ島、7月22日 | トップページ | 「えいがのおそ松さん」:ほろ苦い笑い   #えいがのおそ松さん #おそ松さん »