「岬の兄妹」:口当たりは悪いけど #岬の兄妹 #片山慎三
映画『岬の兄妹』は、低予算、無名キャストによるインディペンデント映画ですが、「衝撃の問題作」でもあります。だからこそ東京ではバルト9とヒューマントラストシネマ有楽町で公開されたりしているわけですが(普通なら公開されても、ユーロスペースとかアップリンクとかイメージフォーラムとかk's cinemaです)、うーん、思った通り重かった。でも思った以上に面白かったと言えましょう。
職もなく、足の障害を抱えた兄と、知的障害を抱えた妹の絶望的な生活。まさに、今日どう食っていくかの生活。そこからの辛くもおかしく、哀しくも生命力に溢れた「むきだし」の作品。確かにオブラートにくるんでおりませんから、口当たりはよろしくありません。 でもそういう映画って、日本映画においては昔から割と得意なジャンルですよね。ATGだって、その他のインディペンデントだって、こういう社会性のある作品というのは、常に作られ続けています。
とにかく兄妹を演じる二人(松浦祐也、和田光沙)のナマナマしい存在が凄いです。特に妹役の和田さんの芝居には、時々「あ、芝居なんだ」と思ったほどに、ほとんどの時は芝居だと感じさせない成り切りぶりでした。小人症の役者さんも出したりして、そこらへんにおいても、観る者の常識やら化けの皮やらに挑戦している映画だと思います。
でも生活保護とか、何らかの福祉の手が差し伸べれられる事はないのでしょうか? まあ、そうなると映画にならないのかも知れませんけど・・・。
ラストもまたもやもやと、観る者に委ねられています。こういった居心地や口当たりの悪さは、この監督(片山慎三)の個性なのでしょうか?それともこの作品に合わせたのでしょうか? 大江戸の好みとは言い難いのですけれど、どうも今年の新人監督は暗い作品でデビューしますねえ(『夜明け』の広瀬奈々子監督、『赤い雪』の甲斐さやか監督、そして本作)。時代や世相の反映なんでしょうか?
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