「青春怪談」:市川崑の空回り #青春怪談 #市川崑 #芦川いづみ
神保町シアターで「恋する女優 芦川いづみ デビュー65周年記念スペシャル」という特集上映をやっていて、その中の1本、市川崑監督の'55年作品『青春怪談』を初めて観ました。ロビーのショーウインドウの中には、平成28年7月付の芦川のサインが展示されておりました。また、開映前には芦川から観客への音声メッセージが流れました。
はい、小生は芦川いづみがかなり好きなのです。日活の女優の中で一番好きかも知れません。ただ、この『青春怪談』においては、彼女は脇役。主役は三橋達也と北原三枝、準主役が山村聡と轟由起子。この当時二十歳だった割には、芦川がやけに幼い感じです。
作品はというと、どうにもヘンな(珍品と言ってもいいほどの)映画です。現代を体現してやけにドライな三橋と北原のカップルは、三橋が女性的で北原が男性的ってあたりも先取り感覚に溢れてます。一方で旧世代を代表させたかのような山村と轟ですが、この轟由起子が実にウザイんです。NHKの朝ドラ『まんぷく』で松坂慶子が演じた「すずさん」と同じ匂いを感じさせるウザさでした(ネットなどではすずさん擁護派が多いようでしたが、小生は終始キライでした)。
どうにも市川崑の「新しくて、ちょっとヘンなことをしたい」という趣向が空回りしてしまったような気がします。あっけらかんとしたラストなどは、「ああ、こういうことがやりたかったのね」って感じですけど…。そして北原三枝のウエストの細さよ!
冒頭のタイトルバックが、人物の横顔を影絵風にシルエットで表したもので、「あ、これって『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』の元ネタなんじゃないの?」と思ってしまいました。本当のところどうなんでしょう?
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