『マックイーン モードの反逆児』:異才と死の香り #アレキサンダー・マックイーン #マックイーン #モードの反逆児
映画『マックイーン モードの反逆児』は、近年多いファッションデザイナーの伝記的ドキュメンタリー。まあ、マックイーン本人は亡くなっているので、関係者からの証言集+ショーや日々の動画で構成されております。さすがに近年の人だけあって、若い頃から彼自身を捉えた動画が数々残っているんですよね。
マックイーンって、センセーショナルで死のイメージを湛えた作風の割に、ご本人はぽっちゃり型(後年にはわけあって痩せましたが)のそこらにいそうな人。ギャップがなかなかの異才です。 彼のセント・マーティンスでの学生時代からデビュー以降のスピード出世ぶりを紹介しつつ、彼がだんだん壊れていき遂には自死に至る日々を描いています。なるほどこういう生涯だったんだってことはわかりますが、天才の内面への掘り下げが今一つかなあ。
彼の作品って、バロックでありながらアヴァンギャルドで、耽美で死の匂いを漂わせているってあたり、同じイギリスの鬼才ピーター・グリーナウェイ監督に通じるものがありますね。あ、だから音楽がマイケル・ナイマンなのかー。
マックイーン自身が「唯一自分のショーで泣いた」という2体のロボットがモデルの白ドレスに絵の具を噴射して作品にする場面を見て、やはり奇妙な感動に襲われました。他のシーズンのショーもそうですが、ファッションというよりもアートの領域で勝負し続けた孤高の異才なのでありました。
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