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2019年4月17日 (水)

「真白き富士の嶺」:ちょっと不気味で・・・   #真白き富士の嶺 #芦川いづみ #吉永小百合 #テルミン

_20190417_231126800x713_3 神保町シアターの特集『恋する女優 芦川いづみ』から4本目は『真白き富士の嶺』('63)。吉永小百合、芦川いづみ、浜田光男が主演の森永健次郎監督作品です。モノクロです。今回の特集のポスター・ビジュアルはこの作品からのものです。

 

大真面目に作っているのですが、うーん、なんだかちょっと怪作の領域に片足突っ込んでます。半世紀以上昔の作品だからという事ではなくて、けっこうヘンです。まあ、日本人のメンタリティーが変化しているってこともあるのでしょうけれど、それでも脚本に難ありな場面は多かったです。終盤の浜田光男の行動も説得力を持って描かれておりませんし。 M.T.というイニシャルを使った謎(?)展開なんか、もう最初からバレバレで、引っ張った割には「やっぱりそうだったか」でしたからねえ。 そもそも何、この音楽? なんでテルミン使ってるの? 口笛を模したようですけど、怪奇映画とかSF映画の雰囲気になっちゃいますよねえ。ヘンすぎます。あと、芦川と吉永の室内場面で、あまりにも暗くて二人の顔以外は闇みたいな不気味シーン(しかも話の内容もひたすら暗い)もありました。 

 

演出の神経が吉永小百合の方に向いているためか、本作の芦川さんは今一つ魅力的ではありません。27-8歳の頃の作品だけあって、かなり「お姉さん感」が漂っております。ま、そこらへんを味わう作品なのでしょうね。演技の方も決して上手な人ではないので、悲嘆にくれる芝居をしても、その後に宮口精二がこらえきれずに嗚咽したりすると、持ってかれちゃいます。

 

まあ、でも当時の逗子やら江ノ島やらの風景が楽しめますし、藤沢駅やら新橋駅やらがこうだったのか!という驚きもあります。出前でもりそばをたくさん取ってみんなに振る舞うなんてのは、忘れかけてた昭和の光景なんだなあと気づかせてもくれました。そういった意味でも、昔の映画ってのはホントに貴重な財産だなあと思います。

 

 

 

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