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2019年4月15日 (月)

「多十郎殉愛記」:ちゃんばら映画を残す試み   #多十郎殉愛記 #中島貞夫 #高良健吾 #多部未華子

366500_004映画『多十郎殉愛記』を公開二日目の土曜の午後に観た(@丸の内TOEI1)のですが、残念なことに観客は十数名。多十郎ならぬ少十郎でありました(まあ、1回目の舞台挨拶の回は結構入ったのだと思いますが)。 その前に観た『麻雀放浪記2020』も閑散としていましたし、東映さんなかなか辛い状況です。でもまあ『翔んで埼玉』という望外の大ヒットがあったので、トータルではプラスでは? いずれにせよ、チャレンジングな実写企画を製作してくれるそのカツドウ屋魂に拍手を贈りたいと思います。

 

 

366500_005 現在84歳の中島貞夫による純粋な小品時代劇というか「ちゃんばら映画」。その昔のちゃんばらの約束事にのっとっているので、刀で斬られても着物が切れたり血が出たり腕が飛んだりはしません。 物語もあって無きようなもの。ひたすらちゃんばらを成立させるために物語があったり人物がいたりするのです。なにしろ93分の作品の最後の30分ちょっとは(断続的にではありますが)延々とちゃんばら描写ですし、そこに至る前にも何度かのちゃんばら場面があるのです。まあこういうのを成立させていくってのも文化だなあと思います。本作のように意図的に時代劇を作り続けて行かないと、技術パートを含めそれぞれの部門の時代劇の常識、ノウハウが失われてしまいますからね。役者にしたって、着物のきこなし、刀の扱い、歩き方と走り方、所作などの一つ一つが現代劇とは違うわけですから。

366500_002  

とはいえ、あまりにもちゃんばらアクションをやることが第一義になっているので、プロットや設定があまりにも軽いのではないでしょうか。多十郎の大立ち回りの理由とか多十郎とおとよの恋模様とか、みんな弱いのです。説得力がないのです。でも、昔のプログラム・ピクチャーはみんなそんなもんでしたよってことなんでしょうか? だとしたら、それはそれで確信的な現世代への「教育」でありますねえ。

多部未華子は芝居もさることながら、(現代アレンジの)ヘアメイクや衣装が良かったですねえ 。高良健吾は頑張ってましたけど、もう少しユーモアが欲しいところ。真面目過ぎて余裕がないってあたりが、ちょっと窮屈なのです。

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