「誘惑」:アレは今だとアウトでしょ #誘惑 #中平康 #芦川いづみ #神保町シアター
神保町シアターで開催中の特集「恋する女優 芦川いづみ」から、今日は1957年の中平康監督作品『誘惑』を観ました。
中平康らしいモダンな都会派コメディー。洗練された笑いもあるし、今見るとかなりヘンテコな笑い要素もありますね。登場人物が多く、まさに群像コメディーといった趣きなのですが、最初から最後まで登場人物の心内語が聞こえる手法が多用され、そのベタさに思わず笑っちゃいます。60年以上前の日本語って、今聞くと新鮮ですよねー。キスは「接吻」って言ってますし。
(以降ネタバレあり) 芦川いづみが、ある女性とその娘の二役を演じます。でも終盤の彼女と千田是也がらみの場面(酔って寝ている彼女にキスしてしまう)がちょっと問題。これ、今だとアウトでしょ。若き日に愛しながらも結ばれなかった女性の(瓜二つの)娘ですからねえ。原作は伊藤整ですが、当時は男のロマンティシズムだと捉えてもらえたんでしょうね。大江戸はそっちを支持したいい気もしますけどねえ。 いずれにせよ、芦川さんは可憐にかわいいのでした。
岡本太郎と東郷青児が本人役で出演していて、セリフもあるのでした(岡本は結構芝居好きな様子)。あと勅使河原蒼風も登場しておりました。 更には、若き日の宍戸錠もチラッと出ておりました。でも、彼は悪役顔にするために頬にシリコンを入れたのが1956年(とWikipediaに出てた)のはずなのに、この作品では頬が細いように見えたのですが・・・。
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