「空母いぶき」:健闘してますが、でも… #空母いぶき #若松節朗 #自衛隊
映画『空母いぶき』は、今日ではある程度のリアリティを持って鑑賞せざるを得ないポリティカル・フィクション。架空の某国から領土を侵犯され、武力攻撃を受けたら、専守防衛の自衛隊と日本政府はどうする?というスリリングでヤバいテーマを、娯楽映画大作として描き出します。
序盤からテンポ良く事件というか戦闘というかが進行していき、すぐに佳境に突入。さあ、当事者たちはどういう手続きに則り、使命を遂行していくのか?ってあたりは、『シン・ゴジラ』的と言えるでしょう。ただ政治家たちの動きや発言はかなり紋切り型であり、ダイアローグは全体的にうまいとは言えません。まあ、これは脚本のせいなのか、原作マンガのせいなのかわかりませんけれど。
もしかして好戦的な右傾映画だったらいやだなあと思っていたのですが、その匂いは残しつつも、最終的には平和と人の命を大切にする映画だったので、一安心。「賢い落とし所」と言えるかもしれません。
自衛隊の艦や武器の機能を見せる描写は、この映画のいちばんのキモ。リアルによく出来ておりました。ただ、同じような戦闘描写が執拗に続くので、しまいには飽きてきましたけど…。そういった意味では後半が全体的に「長いなー」って感じになっちゃってました。
そんな思いを抱かせた二大要因は、1「本田翼と小倉久寛演じる報道関係者の描写」 と2「中井貴一の出て来るコンビニの描写」です。1は、いろいろと「あり得ない」事が多過ぎて、ウソだよなーって思いが沸き起こります。 そして2は、コメディ・リリーフ的部分を入れたかったのかも知れませんが、まったく成功していないし、要りません。 せっかく戦闘描写で頑張っているのに、こういう所で映画がダメになっていきました。困ったもんです。
てなわけで、やっぱり若松節朗監督、今一つ信頼できないなーって感じがもやもや残ってしまいました。来年度最大級の話題作『Fukushima 50』もちょっと不安になって来ちゃうんですが、それを吹っ飛ばすぐらいの秀作だといいですね。
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コメント
どうでもよさげですが若松節郎でなく若松節朗でやんす。
投稿: 佐藤秀 | 2019年5月28日 (火) 21時03分
ああ!佐藤秀さん、お久しぶりです。
ご指摘ありがとうございます。
お名前を間違えてはいけませんね。
さっそく訂正させていただきます。
投稿: 大江戸時夫 | 2019年5月28日 (火) 23時01分