「ガルヴェストン」:監督のセンスとエル・ファニングの笑み #ガルヴェストン #エル・ファニング #メラニー・ロラン
映画『ガルヴェストン』は、ごひいきエル・ファニングの主演作ということのみならず、あの美しいメラニー・ロランの監督作でもあるってことで、観に行きました。昔から何度も繰り返されて来た「少女娼婦救出もの」と言えるかもしれません。『タクシードライバー』とか昨年公開の『ビューティフル・デイ』とか。娼婦じゃないけど『レオン』に似た空気もあります。
メラニー・ロラン監督の演出は、かなり荒々しくハードでもあり、でも場面によってはとっても抒情的。映像的にも実に映画的な良い絵が撮れています。終盤の長回しなんかも、なかなかのものです。センスがいいんです。
でも最高にイケてるのは、やはりエル・ファニング。思わずパンフレットを買っちゃうぐらいステキでした(パンフレット自体、半分はエル・ファニング写真集といった趣き)。まあ演技的には、『夜に生きる』『ネオン・デーモン』あたりの方が凄かったけど、ケバいメイクの表情とほぼすっぴんの天使の表情の両方を拝めるってのは、なかなか価値がございます。 (以降少々ネタバレあり) ラストで赤いドレスの彼女が浮かべるイノセントな「笑み」は、 映画史上でも最高に魅力的な「笑み」の一つではないでしょうか。
監督自身が「ジャンル映画」だと明言しているのですが、それこそジャンル映画の良さを持っているのが値打ち。往年の高倉健さんが主演でもいいような作品なのです。古い革袋に新しい酒を入れたような。
(以降ネタバレあり)それにしても、ベン・フォスター演じる主人公の「早とちり」が発端になっているわけであって、考えてみると結構マヌケな話だったりもします。でもそういう瑕疵を上回るだけの美点があるのです。嫌いにはなれない作品です。ラストもエピローグ的な味があって、良いではありませんか。
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