「誰もがそれを知っている」:ナマクラでモヤモヤで #誰もがそれを知っている #アスガーファルハディ
映画『誰もがそれを知っている』は、イランで社会派の問題作を作り続けて来たアスガー・ファルハディ監督がスペインの田舎を舞台に、スターを起用して撮り上げた新作。しかもスターは、ペネロペ・クルス&ハビエル・バルデムの夫婦共演です。
というわけで、今回は娯楽作なのです。家族を巡る誘拐ミステリーを楽しめば良いという…。でも、そうしたことによって、逆にいつもより楽しめない作品になってしまった感じです。そういう矛盾を抱えた残念な作品です。
やはりこの監督、社会性や問題意識を通して社会への発信をすることで、自己の映画を高めているようです。今回は何ともナマクラな感じ。極論しちゃえば、「だからどうしたの?」ってところですもん。それを言っちゃあおしまいですけど。
一度そういった否定的な目で見てしまうと、ペネロペ&ハビエルの共演だって、「いい気なもんだよ」ってなっちゃいます。
(以降ややネタバレあり) 終盤の事件解決からラストに至る部分も非常にモヤモヤ。まあモヤモヤが持ち味だった気もいたしますが、娯楽作ならもうちょっとスッキリ系にしていただかないと…。「秘密」だって、それほどインパクトのある秘密じゃないしねえ(夫婦共演にしたことで、かえってそうなっちゃいました)。
ま、脚本が練れていないってことですよね。全くジャンルは違いますが、『スパイダーマン ファー・フロム・ホーム』の脚本の驚異の練り上げ方を、少しでも見習ってほしいものです。
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