「パピヨン」:あのシーンがない #パピヨン #リメイク版パピヨン
映画『パピヨン』('17年/マイケル・ノアー監督)は、あのスティーヴ・マックィーン×ダスティン・ホフマンの名作(’73年/フランクリン・J・シャフナー監督)から44年を経過してのリメイク。チャーリー・ハナム×ラミ・マレックの主演コンビは、現代にふさわしくスッキリしてます。とは言え、泥だらけ、汚物だらけ、血だらけ、汗だらけではありますが。
まあ色々と大変そうで、これ観ると「ムショには入りたくない」と思います。そういった意味では、大変教育的な映画です(とは言え、パピヨンは冤罪だったわけですけどね)。
描写はきちんとしているし、決してつまらなくはありません。ってゆーか、面白いんですけど、何か足りないんです。映画としてのコクとでも言いましょうか…。脱獄への狂気にも似た執念も、独房の辛さもあまり迫って来ません。「濃さ」が足りないんですよねー。
昔の『パピヨン』で(ラストシーンと共に)一番覚えている独房でのあのシーン--脱獄への体力をつけるために、いや、むしろ生き延びるために、ゴキブリやムカデを食べちゃう場面--が無いんですもん。やはり、(前作の脚本家)ダルトン・トランボ流の「土性っ骨(どしょっぽね)」が欠けてるんだと思います。あとあの憂愁の主題曲もね。
(以降ネタバレあり) 前作はラストで海に浮かんだマックィーンの下にダイバーの姿が見えているというのが、歴史的なミスとして有名ですが、今回もそこばかり気にして観ちゃいましたよ。今回は見えておりませんでしたが、海に透明感が無くて、ひょっとして映像処理で見えなくしちゃったのかななどとも思ったりしました。 そして本作は、その後にエピローグ的な部分がついています。ご本人のお写真も出て来ました。ハナムとは違って(マックィーンとも系統が違って)、かなりゴツゴツしたあかぬけないおじさんでした。
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