「ゴールデン・リバー」:眠くて暗くて汗臭くて #ゴールデンリバー #ジャックオーディアール #キャロルケイン
映画『ゴールデン・リバー』は、チラシとか予告編を見た段階では、ジョン・ヒューストンの『黄金』みたいな話(もしかしてリメイク?)なのかと思っておりました。だって、ゴールドラッシュ時代の西部で、男たちが黄金の魔力に取りつかれて破滅していく物語みたいなんですもん。でも、全然違ってました。
そもそも原題は“Sisters Brothers”。なんだこりゃ?と思ったら、シスターズという苗字の兄弟なのでした。しかも演じるのがジョン・C・ライリーとホアキン・フェニックスだってんですから、全然シスターっぽくありません。これでシスターだったら、『悪魔のシスター』((c)ブライアン・デ・パルマ)です。
とにかくテンポが遅くって、出て来る男たちは妙にボソボソとしゃべるので、観ていてえらく眠くなります。銃声の音響効果は大迫力で怖いほどでしたけど。そして、基本的に(爽快感とは縁遠い)暗い話です。そこらがフランス人のジャック・オーディアール監督ならではの部分なんでしょうね。まあ、そんなもん観たくないと言い切ってしまうこともできますが…。
(以降ネタバレあり)でもラストは意外性があって、嫌いではありません。突然ピースフルな感じ。で、ボロボロよれよれの兄弟が母親とハグした後に、「ひどい匂いだ」と言われるあたり、「そうだよねー」って感じです。ホントに汗とホコリと体臭で、恐ろしい匂いになっているはずですもん(そこらへんが、大江戸が西部劇にハマれない理由なのかもと思いました。同様の理由で史劇とかも好きじゃないし)。
で、その母親ってのがキャロル・ケインだとエンドロールで知ってびっくり! 『狼たちの午後』とか『アニー・ホール』とか『バレンチノ』とか、大きな目とカーリー・ヘアで’70年代は映画ファンには知られた存在だったと思います。すっかりおばあちゃんになっていて(67歳だとか)、さすがにわかりませんでしたねー。
| 固定リンク
« 「さらば愛しきアウトロー」:レッドフォードもスペイセクも素敵 #さらば愛しきアウトロー #ロバートレッドフォード #シシースペイセク | トップページ | 「映画イラストレーター 宮崎祐治の仕事」展 #宮崎祐治 #国立映画アーカイブ #東京映画地図 »
コメント