「よこがお」:筒井真理子vs.市川実日子 #よこがお #深田晃司 #筒井真理子 #市川実日子
映画『よこがお』は、深田晃司監督のキャリア中でもトップクラスの作品。人間の奥底を、ちょっとブラックに、そして繊細かつ微妙な表現で描く「彼らしい」作品になっていました。「説明しない」美学だなあと思いました。
筒井真理子のための映画というほかないのですが、この遅咲きの女優さんはそもそも深田作品『淵に立つ』や園子温作品『アンチポルノ』などで頭角を現したんですもんねえ。この作品では女優賞レースに(少なくとも)ノミネートされるレベルです。堂々たるもんです。
硬軟取り混ぜた筒井真理子の演技に対して、市川実日子が素のままのように演じて、これまた凄い存在感を見せています。彼女もまた助演女優賞にノミネートされてしかるべきレベル。これまでの彼女を超えたレベルです。内側に抱えた黒いものや、自身にさえわからぬ感情を、「何もしない」演技で的確に表現しています。
被害者と加害者、そしてマスコミの報道姿勢の問題をリアルに描いてもいます。しかし深田監督ですから、社会性や告発というよりは、人間の奥底をあぶり出す方に比重がかかっています。果たしてラストの意味するところは何なのか? 彼女はこれからどう生きていくのか? そこらを観客に委ねる終わり方も、いかにも深田監督なのです。
関係ないけど、筒井真理子の顔を見ていたら、目のあたりとか「松本穂香が年取るとこういう顔になるかも」って感じでした。意外な発見。
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