「世界の涯ての鼓動」:ややこしや #世界の涯ての鼓動 #ヴィム・ヴェンダース #Submergence
『世界の涯ての鼓動』は、ヴィム・ヴェンダースが久々にメジャーな物語映画を撮ったなあって感じ。でもやっぱりヴェンダースだけあって、一筋縄ではいきません。なんで恋愛映画を撮るのに、こんなややこしい設定にするの? もう面倒で、何がやりたいのかわかりませんでした。
恋愛映画? ポリティカル・スリラー? 世界的ドラマ? 風光明媚映画? スパイもの? テロリストもの? 深海もの?・・・要素が多過ぎて、いくらなんでもうまくまとまりません。まあ、ハッキリ言って「失敗作」の3文字を与えたいと思います。
回想シーンなども交えながら、主人公・男のドラマと主人公・女のドラマを交錯させたりもしているので、なかなかわかりにくい話でもあります。徐々にわかって来る作りではあるのですが、それとてもパズルのピースがはまって全貌が見えた時の喜びがあるって感じでもありませんし。
どうも全体的にいろいろ考えすぎて、いろんなことやろうとし過ぎて、ぐちゃぐちゃになってしまったような気がします。面倒くささの割には、映画としてうまくいってないのです。もちろん、感動だって出て来やしません。
(以降ネタバレあり) 原題の“Submergence”の意味は「潜水」であり「浸水」でもあり「沈没」でもあるってことで、これはよく出来たタイトルです(原作小説の題名だそうですが)。直接的には潜水艇が出て来ますし、最終盤に主人公・男が水に潜る印象的なシーンもあります。そもそも主人公・男はスパイなので、比喩的にも潜水・潜航してるわけですね。そして沈没…。
世界情勢を背景にした感動のラブロマンスみたいに仕立ててある予告編も、ちょっと問題ですよねー。まあ、売るためにはしょうがないんでしょうけど。
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