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2019年8月28日 (水)

「アートのお値段」:お金がアートを回す   #アートのお値段 #現代アートとお金

368439_001 映画『アートのお値段』は、現代美術の商業的側面をクロースアップしたドキュメンタリー。商業的に最も成功したアーティストの一人であるジェフ・クーンズと、商業的再生産の世界から離れて新たな創作に没頭しているラリー・プーンズという対照的な二人をメインに、多くの現役アーティストたちが登場します。アーティストのみならず、コレクターや評論家や美術商やオークション関係者らも登場し、それぞれの角度からアートとマネーの関係を語っていきます。これまでのアート・ドキュメンタリーにはなかったユニークな視点であると言えましょう。

 

 現代アートが投資の対象となっている現実をはっきりと伝えてくれます。分散投資によるリスクヘッジのために、銀行が美術品の購入を薦めているんだそうです。まあ今に始まった話ではなく、ワインだって芸術作品だって、高額なものはみんな投機の対象になりますからね。 それに「芸術作品が時を超えて残っていくためには、商業的成功が必要」という言葉が出て来るのですが、なるほどそれはそうですよね。

「複製品で満足できるのなら、美術作品の価値は?」と映画の作者に問われて、コレクターが「痛い所を突かれた」という感じになる場面も、そうだよねー、その問題は難しいよねー、と思わざるを得ませんでした。

 

 ラストのラリー・プーンズの新作展覧会のオープニングの模様に、この映画の作者は希望を見出しているように思えます。全盛期のドッツを使ったパターンを捨てて、カラフルな表現に挑んだ新作は、スクリーンを通しても確かに美しいものです(特段新しい表現ではないとしても)。カネから離れた純粋なアーティストの創作欲求から生まれた作品の成功を予感させて、映画は終わります。でもそのプーンズ作品とて、またもマネー・ゲームの波に飲み込まれて行くことだってあり得ます。いや、きっとそうなるでしょう。でもアーティストには、商業主義とは隔絶した反骨の部分も保っていてほしいなあと思う大江戸なのでした。ナイーヴ過ぎますかね?

 

 

 

 

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