「塩田千春展」@森美術館 #塩田千春展 #塩田千春 #森美術館
六本木の森美術館で『塩田千春展 魂がふるえる』(~10/27)を観ました。
実は1週間ほど前の土曜に来たのですが、1時間待ちになっていて、時間の関係で出直しとなった次第。代休を取って、平日の昼間に再チャレンジです。
塩田さんは、小生が現代美術をあまりフォローしなくなってからメジャーになって来た人なので、ほとんど知りませんでした。ただ、この深紅が印象的な広告ビジュアルに興味を惹かれたのです。
10分ほど待って前売りチケットを当日券に引き換えてから会場へ。そこそこ入ってるけど、ゆったり鑑賞できる程度でした。こうでないとね。
会場内は部屋をまるまる使ったような大型インスタレーションが多く、作品に飲み込まれたような印象。
上を見上げたり、赤い糸のそばを歩いたりしながらの鑑賞です。
糸(というよりかは紐と言うべき太さですが)の先端はステイプラー(ホッチキスですね)で、壁などに固定されていました。赤は鮮烈。『ミクロの決死圏』のように、人間の体内組織を見ているかのようです。
ある展示室では、ミニチュアの向こう側がガラス窓になっていて、眼下に東京の街が見渡せる趣向。森美術館の立地条件を取り込んだ創作となっておりました。
赤と対比された黒。焼け焦げたピアノや椅子を黒い糸が覆うスペースには、不穏さが漂います。霊的な不気味さも。そしてアンセルム・キーファー的な感覚もちょっと。
衣服や窓の廃材を使った展示や舞台美術の紹介の後に、最後の大部屋。
何百というスーツケース(トランク)が天井から赤い糸(紐)で吊り下げられて、揺れていました。
壁面にはスーツケースと紐の影。紐はやや「赤い影」となっておりました。
一つひとつの赤い糸の先には、一人一人がいて、一人一人の人生があるってことなのでしょうか。
美しさと怖ろしさと神経症的狂気と孤高の神性。作家の精力と魂のこもった展覧会でした。
会場を出て展望デッキから見れば、おお、東京タワーって塩田千春の作品っぽいですね。
そして別の方角を見やれば、新宿のビル群と新宿御苑の手前に、新国立競技場がほとんど出来上がったような外観を呈しているのでありました。
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