「人間失格 太宰治と3人の女たち」:もっと狂気を #人間失格 #太宰治と3人の女たち #太宰治 #蜷川実花
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』は、7月公開の『Diner ダイナー』からさほど間を開けずに公開された蜷川実花監督作品。現代日本を舞台にした(その割には無国籍でしたが)前作に対して、戦後の東京を舞台にしております。なので、意匠的には鈴木清順の大正ロマン三部作に近いような、独特の絢爛ワールド。リアリティを片隅に置いて、自分の得意なフィールドにどんどん持って行っちゃいます。でもねえ、大江戸の趣味としてはもっともっと狂って、もっともっとカラフルにしてほしかったですね。清順さんみたいに。
だから大江戸的には『Diner ダイナー』の方が上なのです。狂いっぷりが上なのです。
それにしても、小栗旬の太宰って、太宰のイメージじゃないですよねえ。こんな人だったのかしらん? とは言え、「自分の映画には男でも女でも美しくないと出さない」と公言している蜷川監督だけに、コンプレックスと自己愛にまみれたウディ・アレンみたいな太宰を出すわけにも行かないんでしょうね。なにしろ、小栗、藤原竜也、成田凌、高良健吾、瀬戸康史、千葉雄大…と、イケメンたち大集合なのですから。実花さんってば、撮影してて毎日楽しかったでしょうね。
それに較べて(だめんず好きの)女性たちは、3人に絞られているわけですが、意外と精彩を欠いております。ってゆーか、脱がない宮沢りえの一人勝ち。さすがです。沢尻エリカに関しては、「『ヘルター・スケルター』みたいな狂った役じゃないとダメなの?」って感じでしたし、二階堂ふみに関しては、「テレビに毒されて、ヘタになっちゃったの?」って感じでした。
物語がとにかく弱い(ってゆーか、ほとんど物語など無い)ので、120分がかなり長く感じられました。ラストだって、ああ延々撮らなくたって、太宰の雪中の死で終わらせたら良かったのにねえ…。
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