「真実」:実にフランス映画 #真実 #是枝裕和 #カトリーヌドヌーヴ
映画『真実』は、是枝裕和がカトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュ、イーサン・ホークを使って撮った“フランス映画”。(実際の国籍はともかく)映画の佇まいがとにかくフランス映画なのです。これ、『キネマ旬報』ベストテンでも当然外国映画枠ですよね?
大女優の母と、コンプレックスを抱えた娘。ほとんどベルイマンの『秋のソナタ』の世界です。でもベルイマンなら重く激しく人間の奥底に迫ろうとするところを、是枝さんはあくまでもフランス映画的な軽やかさとエスプリで通します。まるで「フランス映画らしい作品を作ってみろ」というお題があって、それに応えようとしているかのようです。
ただ大江戸はもともと(どちらかというと)フランス映画が苦手ですので、こういうフランス映画らしさがぷんぷん匂う作品は、どうもしっくり来ません。家族の中だけで大した事件も起きない「小体(こてい)」なドラマに終始してしまって、そこを突き抜けるパワーはありませんでした。ライトウェイト過ぎて、物足りないのです。
ただ、このキャスト(特にドヌーヴ)を使って堂々とこういう作品を作れちゃうところは、どう考えてもスゴイことです。そして、フランスの巨匠がリラックスして作った1本と言われたら信じてしまいそうな作品に仕上がっていることも確かです。映画に関する台詞がかなりベタですけどね。
いずれにせよ、これでコレエダが(これまで以上にしっかりと)映画史の中に組み込まれました。
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