「ドリーミング村上春樹」:さらっとした60分 #ドリーミング村上春樹 #村上春樹 #かえるくん
映画『ドリーミング村上春樹』は、デンマーク人翻訳者の村上春樹作品との格闘を軸に、デンマークと日本での彼女を追った60分のドキュメンタリー。60分なんで、当日大人料金1,600円/特別鑑賞券1,300円と、通常料金より200円ほど低めの設定です。
ドキュメンタリーとはいえフィクショナルな要素も取り入れて、ちょっと不思議な作品です。かなりリアルな人間サイズの「かえるくん」(『かえるくん、東京を救う』)がところどころに登場しますし、ブリッジの向こうの空には二つの満月が浮かんでいます(『1Q41』)!。
翻訳者のメッテ・ホルムさんの仕事を追ったドキュメンタリーとしては、結構中途半端です。作業の総てを網羅的に描くのでもなく、かといってそんなに深くまで掘り下げることもしません。翻訳の困難さや日本語の難しさを描く部分も、割と通り一遍でさらっとしてます。最後まで淡々とし過ぎていて、ラストなんかも「あれっ?本当にこれで終わりですかい??」って感じでした。
(以降ネタバレあり) この作品、最後まで村上春樹は出て来ません。講演会で投影される画像だとか、新聞に載った顔写真だとか著書の表紙などに顔が写っている程度です。まあ、これはそんなもんだろうと思っていた通りなので、特段の肩すかし感はありませんでした。
ただ作品自体のありように疑問があるというか、「いったい何を描きたかったの?」って感じが拭えませんでした。村上作品にも大して迫っていかないし。「翻訳って難しいものです」と「謎のかえるくん」だけじゃ、しょうがないでしょ?
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