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2019年10月11日 (金)

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」:音の映画、顔の映画   #ワンスアポンアタイムインザウェスト #セルジオレオーネ

T0024339p 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』(これまでの邦題は『ウエスタン』)が9/27から(東京では)丸の内と新宿のピカデリーで再公開というか、2時間45分のオリジナル版は初公開となりましたが、興行成績は厳しかったようで、すぐ新宿1館になり、上映回数も減りました。残念なことです。だって、(大江戸は今回初めて観たのですが)素晴らしい傑作だったんです。

とにかく「映画らしい映画」というか、映画を観ることの愉楽に溢れています。映像と音楽と役者たちが奏でるハーモニー。荒々しく、誇りと泥にまみれているのに、上質の映画ならではの馥郁たる香気を放つのです。映画として隙が無いです。完璧です。詩のようです。セルジオ・レオーネの最高作というのも、納得です。

音の映画です。静かな冒頭15分程の場面の中の微かな音やあの音この音が、見事に効いています。 そして顔の映画です。超クロースアップの顔、顔、ツラ。顔のアップとロングショットが交錯する編集も、実に映画。 先日書いた『蜜蜂と遠雷』がそうであったように、本作もまた「音の映画、顔の映画」なのです。

エンニオ・モリコーネの音楽も素晴らしく、特に序盤にクラウディア・カルディナーレを乗せた馬車がモニュメント・バレーを行く時にかかる流麗なテーマ曲が、ただただ美しいです。

名場面は数々あり…いや、全篇名場面の連続。 そして数々の暴力を越えて、「昔むかしこんなことがありましたとさ」って感じのラストシーンでタイトルが出た時には、大いなる感動がありました。

メインの4人がしっかり描かれていますが、役者としては一番地味なジェイソン・ロバーズのおかげで、この作品にユーモアと下世話な人間味と深みが加わっています。もちろんブロンソンは(あの顔なのに)かっこいいし、カルディナーレはセクシーですけどね。ロバーズの見せる弱さと哀愁、好きだなあ。

そして“悪役”ヘンリー・フォンダ(よくこの役やりましたね)が、特に回想シーンでの若き日の彼が、驚くほど阿部寛にそっくり!で笑えます。正義の人=フォンダが悪人を演じたことが、アメリカ人と日本人には許せなかったのかも知れませんね。だから両国ではこの作品が大コケしたし、長らく評価されなかったのではないかと…。

 

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