「アイリッシュマン」:デ・ニーロ×パチーノ #アイリッシュマン #スコセッシ #ロバートデニーロ #アルパチーノ
映画『アイリッシュマン』は、マーティン・スコセッシがネットフリックスで撮った3時間29分の大作。日本ではサイトでの公開の前に、昨日から(急遽って感じで)劇場公開されております。『ローマ』もそうでしたが、まずはめでたい。
なにしろロバート・デ・ニーロとアル・パチーノの共演! 『ゴッドファーザーPARTⅡ』か『ヒート』かって感じですが、あの2作に比べるとしっかりと、がっしりと「共演」になっています。2ショットも多いですし。もう「老人」と言っていい彼らですが、CGの力を借りて中年の頃から老境までを演じています。大河ドラマ状態です。この二人の力の入った芝居を(助演ではなく)たっぷり主役級の分量で観られるってのも久々です。 そして、スコセッシが手掛けたことによって、(これまでもいくつもの作品で使われて来ましたが)人物をCGで若返らせる手法が完全にOKとなったと言えるでしょう。
パチーノの役はジミー・ホッファ。過去にシルベスター・スタローンが『フィスト』で、ジャック・ニコルソンが『ホッファ』で演じた人物です。こういう激しいパチーノの芝居も、久しぶり。
そしてもう一人、ジョー・ペシが大きな黒縁メガネで重要な役を演じていますが、以前の脂ぎったギラギラ感が枯れて、いい感じに妖怪っぽくなってました。
びっくりしたのは『ピアノ・レッスン』の少女=アンナ・パキンが、「中年」って感じで出ていたこと(デ・ニーロの長女の役)。調べたら今37歳だそうで、…年の割に老けてましたね。時は流れますね。
絵造りはもう完璧ですね。ヘアメイク、衣装、美術、撮影などのクォリティの高さ。 そんな中で、『仁義なき戦い』のごとき抗争を通じて(デ・ニーロが文太で、ジョー・ペシが金子信雄の親分みたいでした)、「こんな人生もあった」「人生って何なんだろう」と諸行無常を滲ませるスコセッシ。うーん、大人の映画ですね。休憩なしの3時間半を観終えると、一人の(あるいは複数名の)半生を見届けたような気になりました。ろくでもない半生だけど、それもまた人生なのだと感じながら。
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