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2019年11月24日 (日)

「わたしは光をにぎっている」:静かに味わい深い秀作   #わたしは光をにぎっている #松本穂香 #中川龍太郎

_20191124_180252768x1077 映画『わたしは光をにぎっている』は、『アストラル・アブノーマル鈴木さん』『おいしい結婚』に次ぐ、今年3本目の松本穂香主演作。その他に助演が『チワワちゃん』『君は月夜に光り輝く』『きみと、波にのれたら』(声優)と3本あり、来年の主演作も『酔うと化け物になる父がつらい』『みをつくし料理帖』+助演作『his』があるという売れっ子ぶりです。ファンとして嬉しい限りです。そして、それ以上に嬉しかったのは、この作品が秀作だったこと。松本さんも『アスアブ鈴木』とは対極の芝居をしていて、これまでの代表作になりました。あまりしゃべらずに、小さな声で、その佇まいで見せる演技が、いい味出してました。彼女の持つ「ぽわーん」感と「もったり」感が生きたとも言えるでしょう。

 

Img_01_modal 新進気鋭の中川龍太郎の作品は初めて観ましたが、素晴らしいです! 映画というものがわかってます。映像が、どのカットも映画的。ただ単に美しいというのではなく、いい感じに心にしみてくる「絵」なんです。どの場面をどのように、どんな絵で撮ればいいのか、しっかりわかっています(ドローン・ショットも効果的でした)。引きの絵が多くて、主役の松本さんもほとんど表情が分からないようなロングショットが多いんです。でも、そこに醸し出される「雰囲気」の素晴らしさは最高です。

銭湯で働く松本さんが、自分で沸かしたお湯に手を入れて、掬(すく)ってみる場面のお湯や煙と光の美しさ! 水と煙とキラキラする光の美しい場面ということにおいて、『はなれ聲女おりん』で岩下志麻が川で水浴(みあみ)する場面と双璧です。日本映画史上有数の美しいシーンです。

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失われ行くものへのノスタルジアも、本作の重要なモチーフ。銭湯、映画館、商店街、個人商店、飲食店、そして人間。この監督の描く風景に、味わいと哀惜の念があります。葛飾区立石あたりの話なんですけど、渋谷区笹塚にある古いラーメン屋「福寿」も出て来ました(福寿のオヤジさんも、3つのシーンで登場)。そもそもこの伸光湯という銭湯からして、清瀬市にあるんですってね。

ラストのほのかに心優しい感じも、じんわり素敵です(その少し前の銭湯の天井の窓を写したカットも←これぞ映画)。本当に声高に叫ばない、小声でささやくような映画なんですけど、じんわり心に沁み続けています。きっと、また観たくなっちゃうことでしょうね。

新宿武蔵野館で観たのですが、例によってロビーにある造作が、いつも以上の力作(銭湯のイメージ)でした。

 

 

 

 

 

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