「マチネの終わりに」:スマホ時代のすれ違いメロドラマ #マチネの終わりに #福山雅治 #石田ゆり子 #桜井ユキ
(少々ネタバレあり) 映画『マチネの終わりに』は今日びの日本では珍しい純愛メロドラマ。「障害のある愛」、そして「すれ違い」の悲劇ってやつです。しかも、かなり「大人」の。現在の実年齢では福山雅治も石田ゆり子もちょうど50歳ですから、これまた日本のメジャー映画としてはあまり例のないぐらいの高齢。でも(原作小説のことはいざ知らず)もう少し若い設定なんでしょうね。ゆり子さんの役、結婚したら普通に子供が生まれちゃってますから。
日本のほかに、パリ、マドリッド、ニューヨークが舞台になっています。世界を股に掛ける大恋愛ドラマってわけですね。そして美男美女の(まあ、ゆり子さんは「美女」というより、「ステキな人」って感じですけど)。 王道なんですがむしろ大時代な感じがして、今作りにくい設定かも知れません。 でも後半の「すれ違い」を生む工夫は、「なるほど、スマホの時代にすれ違いメロドラマを作るには、こういう手があったか!」って感じでありました。
手練れの職人・西谷弘監督ですから難なく作っちゃってますけど、、テンポが遅かったですね。じっくり描いていると言えばそうかも知れませんが、後半などちょっとイライラするぐらいスローでした。もうわかりきった展開なのに…。てなわけで、これって連ドラにした方が良かったんじゃないの?って思ってしまいました。
でも福山が猛練習したというクラシックギターは、実際に弾いてるだけにサマになってました。さすがですね。石田さんのフランス語は、…まあ日本人ジャーナリストのフランス語なので、あれでいいんでしょう。
それよりも、福山のマネージャー役の桜井ユキが目立ってましたね。おととしの『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング・ビューティ』以来、彼女を買っている大江戸としては今年に入ってからのTVでの活躍(『だから私は推しました』とか『G線上ののあなたと私』とか)を含め、「来たな。」って感じです。本作では大抵の人に非常にムカつかれる役ですけど、主役たちを生かす脇役として、実にいい仕事でした。
ムカつかれる役といえば、伊勢谷友介もいつもながら見事。ちゃんとしたエリート(のはず)なのに、あんなにヘビみたいな嫌ったらしさを出せる人って、なかなかいません。うーん、何ていう個性なんでしょう。
| 固定リンク
コメント