« 2019年11月 | トップページ | 2020年1月 »

2019年12月31日 (火)

「カツベン!」:どうにもしまらない   #カツベン #周防正行 #成田凌

002_20191231203201 映画『カツベン!』は、寡作の周防正行監督5年ぶりの新作。『舞妓はレディ』以来なんですけど、もうそんなに経つんですね。これまで現代ものしか撮っていなかった周防監督が初めて挑む時代物でもあります。大正期の活動写真の世界を舞台にしたコメディですが、うーん、少しもたついているというか、…悪くはないけど、周防さんには多くを期待しちゃいますからねえ。

活弁の世界ってやはり古めかしくて、かなりの映画ファンでないと興味を抱けないかも知れないので、題材としてはリスキーです。まあ、でもそれは『ファンシイダンス』におけるお坊さんの世界、『シコふんじゃった。』における相撲取りの世界、『Shall we ダンス?』における社交ダンスの世界、『舞妓はレディ』における舞妓さんの世界同様の異世界ネタですから、特に心配はいらないのですが、どうも『それでもボクはやってない』をピークに、周防さんのパワーが下がって来ているような気がするんですよね。

 

004_20191231212901 腹から笑える場面がそんなにはない、かと言って大きな感動があるわけでもない、どうもピリッと締まっていないのです。大らかと言えるのかも知れませんが、なんだか映画自体も大正のテンポに引きずられちゃったのでは?

成田凌が初主演映画と聞いて、びっくり。言われてみればそうでしょうか。でも主演なのに助演の時よりも精彩がないですね。この人はやっぱり助演体質なのだと思います。ダメ男やらせれば当代一なんですから。ただ、弁士の口跡は見事でした。かなり練習したんでしょうね。高良健吾(浦和レッズの槙野みたい)、永瀬正敏も見事でしたが、(役柄上ってこともあるんでしょうけど)成田が一番素晴らしかったです。さすが主役(あれ?精彩ないわけじゃなかったのかな)。そして黒島結菜はハマリ役でした。

001_20191231222001 篇中で使われている無声映画はすべて周防監督が新たに撮ったものだそうです(著作権、肖像権の関係なんでしょうね)。でも画質といい、顔といい、いかにも昔のあの作品、この作品っぽいのでびっくり。『キネ旬』で読んでいたにもかかわらず、城田優や草刈民代や上白石萌音が出てることはすっかり忘れていたので、途中から気づいて、あーそうかと驚いた次第です。

昨日の『男はつらいよ お帰り 寅さん』と同じく、この作品にも『ニュー・シネマ・パラダイス』へのオマージュがあるのでした。

 

 

☆2019年も『大江戸時夫の東京温度』をご愛読いただき、ありがとうございました。来たる2020年もよろしくお願いいたします!

 

 

| | コメント (0)

2019年12月30日 (月)

最後の1ヶ月フリーパスポート   #TOHOシネマズ #1ヶ月フリーパスポート #シネマイレージ

_20191230_233747800x544_li TOHOシネマズのシネマイレージ会員特典のひとつ、(2年間以内に)6,000マイル(有料鑑賞作品の上映時間1分が1マイルに相当)たまると交換できる「1ヶ月フリーパスポート」。近年は都心のTOHOシネマズ増加もあり、毎年年末にはたまって、ゲットしておりました。

今年も昨日で6,000マイルを超え、今日交換したのですが、残念ながらこのパスポート、これが最後なんです。1年以上前からお知らせがあり、2019年12月31日をもってこの特典が終了なんですと!

ネットで予約できない(劇場窓口でのみ発券が可能)不便さはあったものの、本当に有難い制度で、映画ファンとしては誇らしくもあり、こいつのためにTOHOシネマズをよく利用するようにしておりました。

 

_20191230_2336421024x638_li なので、これからは「6回鑑賞で1回無料」というTOHOシネマズ同様の特典に加え、次回鑑賞クーポン(ネットだと1,200円に)がエンドレスでやって来るSMTの劇場(新宿/丸の内ピカデリーなど)を使うことが増えるのでしょう。

大江戸は昔から「有料でいいから、どの映画館でも使える年間フリーパス」ってできないかなあなどと考えておりましたが、収入の分配など難しい問題がいろいろあるのでしょうね。それは、アカデミー会員にでも選ばれない限り無理なことなのでしょう。 せめて、この最後のフリーパスで、できるだけ観ることにいたしましょう。でも、この時期のシネコンって、大作・話題作がスクリーンを占拠していて、未見の観たい作品があまりかかっていないんですよねー。残念。

| | コメント (0)

「男はつらいよ お帰り 寅さん」:半世紀掛けの実験映画   #男はつらいよ #お帰り寅さん #男はつらいよお帰り寅さん

007 映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』は、シリーズ第50作。最終となった第48作から23年。49作目に当る特別編があったため、本作が50本目という勘定。第1作が1969年だから、50周年の節目に第50作。いずれにしても壮大な話です。

リチャード・リンクレーターが『6才のボクが、大人になるまで。』で一人の男の子の成長を12年かけて撮りましたが、この作品ではさくらたち何人かの登場人物を50年かけて撮ってるわけですから、そして第48作での姿からみんな23年トシ取ってるわけですから、すっごい「実験映画」です。

 

005_20191230230001 23年がたって、年を重ね、環境も変わった満男や元くるまやの人々の日常の中に、膨大なフッテージの中から選ばれたあの場面、この場面が回想として挿入されます。ほかならぬ山田洋次がやっていることなので、きちんと納まっています。 

そして主役は吉岡秀隆の満男。冒頭が彼の夢から始まるってところもシリーズを踏襲していて嬉しいし、その後にバーンとタイトルが画面いっぱいに出るところは、さすがに「うわー!」と盛り上がっちゃいます。でも主題歌を歌う桑田佳祐の姿を画面に出す必要はなかったんじゃないかなー。ひどく違和感を感じました。

 

009_20191230230801 まあ映画の出来としては「まずまず」。そんなに傑作ではありませんが、この作品に関しては「作られたこと」自体に大きな価値があります(いずれにしても『家族はつらいよ』の何倍も素敵です)。渥美清の寅さんが、年末から正月の映画館のスクリーンに映し出されるだけでいいんです。 そして、「時の流れ」「時間」と人生というものが、大きくテーマとして浮かび上がっておりました。10代の満男と泉(後藤久美子)と、今の二人との対比。そして時間のほろ苦さとほの甘さ。そこは映画として、良かったですよ。

(以降ネタバレあり) で、ラストはモロに『ニュー・シネマ・パラダイス』でありました。満男の泣き方が、まんまジャック・ペランでした(知人によるとゴクミは、まんまアウンサン・スーチーだそうですが)。

 

 

| | コメント (0)

2019年12月29日 (日)

「つつんで、ひらいて」:物質としての本を支える装幀   #つつんでひらいて #菊地信義 #装幀

001_20191230002901 映画『つつんで、ひらいて』は、ベテラン装幀家・菊地信義の仕事ぶりを追ったドキュメンタリー。なにしろ40数年の間に1万5千冊を超える本の装幀をしたというのですから、驚異的な人です。

この人のブックデザイン作業は、実に古典的。アナログな手作業の世界です。写植文字(まあ、今はさすがにパソコン文字でしょうが)を切り貼りする世界。PCの操作はオペレーターに任せて、自分は判断と指示に徹するというスタイルなのです。長い年月続けて来たやり方なのでしょうね。

 

002_20191230003701 実に細かいニュアンスの微妙な差異にこだわっての仕事が続きます。99と100のせめぎ合いだとか、1mm上げるとか下げるとか、4文字中2つの文字にだけ長体3%をかけるとか、感知できるかできないかギリギリのラインで、作品の精度を上げる試みが繰り広げられます。ただただ経験に裏打ちされた「感覚」の成せる判断。観ていて、とても興味深く引き込まれます。

弟子にあたる切れ者の装幀家・水戸部功のインタビューも、かなりの尺で収めれれているのですが、この人の作品も菊地氏の作品に負けず劣らず素晴らしいものです。この二人の関係性や、言葉も面白かったなあ、互いを認め合っていることがわかりますし、だけどライバルとして火花の散る部分もあるという…。

 

003_20191230005101 監督の広瀬奈々子さんは、今年『夜明け』で監督デビューしたわけですが、あの作品にはさほど感心しませんでした。でもこちらは素晴らしいです。題材の面白さが大きいとは思いますが、しっかりした手際で94分の映画にしてあります。「お仕事映画」です。

終盤に印刷会社の工場や製本所で立ち合いをする場面がありますが、いやー、これがまた面白いんです。物質としての本を作り上げるために、ここまでの技術とここまでのこだわりがあるという、多くの人々の真摯な努力があって、書店に並んでいる本があるという説得力のある映像が撮れています。もっとも、最近は書店に並ばないで、直接倉庫から届けられる本が多いわけですが…。 この作品を観ると、やっぱり紙の本はいいもんだと改めて認識せざるを得ません。本ってコンテンツだけじゃなくて、紙の手触りや本の重さや紙をめくる音やフォントや、パラパラと見られる「一覧性」などを含めて素晴らしい物体ですもんね。スマホやタブレットだけでは、味気なくって・・・そんなの文化じゃありませんやね。

 

| | コメント (0)

2019年12月28日 (土)

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」:すずさんが愛おしい   #この世界のさらにいくつもの片隅に #いくつもの片隅に #のん #すずさん

001_20191228234401 映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、『この世界の片隅に』に30分ほどの新たなシーンを追加した167分バージョン。最初から傑作だとわかっているのですが、しっかりと「より懐の広い作品」になっていました。

なにしろオープニングですずさん(のん)の声が聞こえたとたんに、もう涙腺に来てしまいましたから。後半なんかもう泣けて泣けて、やはり前作のあの場面、この場面で、何度観ても深い感動に滂沱の涙が溢れてしまいます。もちろん泣けりゃいいってもんではありませんが、この映画において、平凡な市民の暮らしを通して戦争を伝え、戦争を非難する姿勢は、そして人間に希望を見出していく姿勢は、本当に貴いものだと思います。

 

_20191228_2330541200x1750960x1400 追加された場面は、ほとんどTBSのドラマ版(松本穂香主演)に入っていたエピソードだったので、既視感があり、違和感はありませんでした(原作マンガのエピソードだそうなので、当然と言えば当然ですが)。すずさんに、より人間味が加わって、キャラクターに幅が出た印象。人によっては「全然別の作品になった」とか書いている人もいますけど、いえいえそんなことはありません。いずれにせよ、どちらも同じぐらいの傑作に違いありません。この公開で、さらに多くの人たちに観ていただきたいと思います。実写を含めた日本映画史上の十指に入る作品だと思うんですよね。観終わって、「ああ、すずさんが、すずさんの人生が、愛おしい」と思わずにはいられませんでした。

_20191228_2328201200x1859 この作品、新作扱いにしたら当然今年のベスト1ですが、まあそうはできないでしょう。後から追加製作したとはいえ、ディレクターズカット版に近いものがありますから。大江戸的には「特別賞」といったところでしょうか(また、今年の『キネマ旬報』の規定では、12/19までの公開作が対象なので、12/20公開の本作は対象外)。

前作同様、(この作品の東京における「本丸」とも言える)テアトル新宿で観ましたが、ロビーには片渕須直監督とのんさんのサイン入りポスターや、複製原画、すずさんの衣装(『映画秘宝』の企画でのんさんが着たもの)などが展示されておりました。

あと、この新作のプログラム、大型サイズで、文章・情報量も多くて内容充実の表紙含む40ページ! 税込1,000円はオトクです。

 

 

※大江戸の『この世界の片隅に』(2016)評はこちら↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-eac4.html

| | コメント (0)

2019年12月27日 (金)

「決算!忠臣蔵」:クライマックスのないドラマ   #決算忠臣蔵 #松竹経済時代劇

004_20191227225601 映画『決算!忠臣蔵』は、『武士の家計簿』や『殿、利息でござる!』など(『超高速!参勤交代』や『引っ越し大名』あたりも、この仲間に入れていいかも知れません)と同様の「松竹・経済時代劇」の新作。でも正直これら一連の作品って、あんまり面白くないんですよねー。で、この作品もダメでした。まったくのところ、いただけません。『忠臣蔵』を期待していたとしたら悲劇ですし、期待していなかったとしてもこれではねえ…。

もともとの発想自体は悪くないと思うんですよ。討ち入りにはカネがかかる--それはそうだと思います。かけそば16文=480円というレートで、いろんな物や行為を現代の金額に換算して画面に出す処理なんかも、興味深く見ていられます。

 

005_20191227230301そして武士社会を企業になぞらえたかのような描写だとか、戦闘部隊と経理担当の侍たちを、営業vs.管理部門みたいに描くあたりも悪くありません。なるほど、さもありなんって感じです。

じゃあ何が悪いんだってことですが、料理の仕方でしょうね。小生は中村義洋監督って(例外的な『みなさん、さようなら』以外は)ほとんど面白いと思ったことがないんです。相性の問題でしょうか。

006_20191227231901 (以降ネタバレあり) 料理の仕方の中でも最大の問題点は、せっかく対立させた戦闘部隊(代表=堤真一)と経理担当(代表=岡村隆史)の片方を早々に作品から退場させてしまうこと。これではドラマが生まれません。それにしても岡村さん、本作では抑えに抑えて、大きな芝居しないように、地味に地味にしているのですが、これも地味のままで終わってしまいます。それって、ドラマツルギーとしてはナシでしょ。地味に地味にしていて、終盤に爆発がないと、カタルシスがないと、成り立たないでしょ。

おまけに、アッと驚くことに、討ち入りの描写もないんです! そんな忠臣蔵って…!! 考えてみれば、吉良上野介も出て来ませんでした! 大胆なのはいいんですけど、クライマックスのない娯楽映画って…やっぱりつまんないです。

 

| | コメント (0)

2019年12月26日 (木)

「家族を想うとき」:苦しきことのみ多かりき   #家族を想うとき #ケンローチ

004_20191226215901 映画『家族を想うとき』は、一昨年の傑作『わたしは、ダニエル・ブレイク』に次ぐケン・ローチ監督作品。ケン・ローチらしい社会の歪みへの異議申し立てです。ケン・ローチ83歳、怒ってます。そして観た者すべてが、辛さと悲しさに涙し、怒りに肩を震わせることでしょう。結論から言うと、『ダニエル・ブレイク』の方が傑作だとは思います。あの作品は「聖なる映画」の域に達していましたから。でも、この作品もそれに迫る強度を持っていますし、告発する力においては一歩もひけを取りません。

宅配便ドライバー(フランチャイズの自営方式)の過酷な仕事ぶりを見ていると、日本と同じだよなーと思わざるを得ません。いや、会社というバックのない個人営業の厳しさということにおいては(「名ばかり個人営業」ですけども)、日本以上の厳しさでしょう。むしろ日本のコンビニ(フランチャイズ)オーナーの置かれている、辛く搾取されまくる立場に近いかもしれません。

 

003_20191226222701 辛いブラック労働の上に、上司も仲間も敵というか、連帯して物事に当れないことの憂鬱さもあります。このような労働環境下で、主人公が肉体も精神も疲弊していくさまが丹念に描かれます。おまけに家族の問題まで、掛け算的にのしかかってくるのです。

さらに主人公の妻は介護師で、彼女の仕事もやはり時間的にも精神的にも厳しく辛いものなのです。本当にこの人はよくできた素晴らしい介護師なのですが、やはり仕事に加えて家庭の問題で擦り減ってしまいます。

006_20191226223701 実際にこんな状況だったら、多くの人が耐えられなくてどうにかなってしまいそうです。大声出して叫んだり、泣きわめいたり、気が狂ったり…。物語の中でも、妻が病院で人目もはばからず電話に怒りをぶつける場面は、この作品の白眉です。

このような不幸の連続パンチに対して、もっと周囲の人や同僚が(もちろん国やシステムも)支えて挙げられないものかと思ってしまいます。夫も妻も、たった一人でタフ過ぎる状況に立ち向かわなくてはならないのが、辛いのです。もう終盤は泣けてしょうがありませんでした。

こんな状況はおかしい! できるだけ多くの人に観てもらって、問題解決に向けて少しでも考えて、アクションしてほしい。そんな気持ちになる映画でした。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月25日 (水)

「ルパン三世 THE FIRST」:まんが映画の活力   #ルパン三世ザファースト #ルパン三世 #レティシア #山崎貴

002_20191225214301 映画『ルパン三世 THE FIRST』は、あの「ルパン三世」の3DCG版。しかも監督は山崎貴。山崎さんは『ドラえもん』も3DCGにして成功させた人ですから、期待できます。で、実際とても面白かったんです。想像以上に面白かったと言っていいでしょう。「LUPIN THE THIRD」なのに「THE FIRST」っていったいどういうことだよ!などと難癖つけていられないほどに面白かったんです。

とは言え、3DCGにしなきゃいけない意味は最後まで見出せませんでした。別にいつもの2Dでもいいじゃん、って感じで。まあ、「まんが映画の持つ活力」をしっかり見せてくれる限りにおいて、どっちでもいいんです。

 

003_20191225214601 3DCGに違和感は特にありませんでした。全然自然で、全然ルパンです。そして、アクションにことごとくアイディアがある。ここが(出来が良い時の)ルパンなのです。巨費を投じたハリウッドのVFXものみたいにただ芸もなくドンパチ撃ったり爆発させたりしているだけじゃ、映画が面白くならないという当たり前の事を、きちんと理解しているのです。荒唐無稽なんだけど、アクションの創意工夫と、見せ方の技術の高さがしっかりしているのです。

 

006_20191225215501 いつもの登場人物の他に、今回はレティシア(声=広瀬すず)が重要な役どころ。『カリオストロの城』のクラリスばりに、可憐でキュートな印象を残してくれます。この魅力的な少女(とまだ言える)キャラクターは、かなり大風呂敷を広げた展開とのバランサーとしても機能していたと思います。

山崎監督、今年は『アルキメデスの大戦』といい本作といい、いい仕事しています。なぜかアンチの多い人ではありますが、やはり当代きっての娯楽職人に違いありません。

 

 

| | コメント (0)

2019年12月24日 (火)

「i 新聞記者ドキュメント」:集団と個   #i #新聞記者ドキュメント #望月衣塑子 

1_20191224234001 映画『i 新聞記者ドキュメント』は、劇映画『新聞記者』と表裏一体をなすドキュメンタリー。あの東京新聞社会部の望月衣塑子記者を、森達也監督が追い続け、そこから現在の日本の政治とメディアのおかしな状況を浮かび上がらせます。

エネルギッシュで空気を読まずに突撃する望月さん。しかし、彼女を跳ねのけたり、のらりくらりと交わしたりする菅幹事長をはじめとする権力側に対して、だんだんと苛立ちや怒りが募っていきました。厄介なヤツだろうけど、これはないんじゃないの?という…。

それでもメディアの中に、彼女の同調者や共闘者が現れないのはどういうことなのでしょう? 確かに政治部のスタイルとは違うやり方なのでしょうけれど、菅さんサイドの明らかな嫌がらせや弾圧に声を上げず、問題にしない人たちって…。ほとんど望月さんがドン・キホーテになってしまっているのですが、一方では外国人記者は彼女の行動を当然のこととして捉え、(時々画面に登場する)森監督は「記者として当たり前の事をしてるだけなのに、なんで注目されなければならないのか?」と語ります。おかしなことです。政治の驕りであり、メディアの劣化であると言えるでしょう。

Main_20191225000501 一方でネット世界での彼女への非難中傷や脅迫も存在していて、もう一方ではそんな彼女には(お弁当を作ってくれるような優しい)夫も、まだ小さいお子さんもいることが示されます。出る杭で居続けるのはタフなことです。自分にはできないと多くの人が思うのではないでしょうか? 大江戸は思いました。

森友学園の籠池理事長夫妻も登場しますが、理事長夫人のコテコテの「大阪のおばちゃん」っぷりには笑っちゃいます。決して悪い人たちじゃないのでしょう。やろうとしていた教育にはまったく賛同できませんが(同じことをやはり本作に登場する前川喜平氏も言ってました)。それと、「日本会議」の存在を取り上げたことも(当然と言えば当然なのですが)画期的と言えば画期的なのではないでしょうか。

やっぱり日本人って、良くも悪くも「個」ではなくて「集団」で生きてるんですよね。だから彼女のような「個」が、異端に見えてしまうのです。一番極端な例としては、戦争において集団になじまない「個」は抹殺されてしまうではありませんか。「個」を圧殺するような力や空気に対しては、一人一人が心して対峙しなければいけないのだと改めて感じました。一人一人が何センチかだけでも、良い方向に動かして行かないと。そのための勇気を、少しは絞り出さないといけませんね、望月さんを見倣って。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月23日 (月)

「マリッジ・ストーリー」:超人夫婦(?)のダークサイド   #マリッジストーリー #ノアバームバック #ネットフリックス

005_20191223232201 映画『マリッジ・ストーリー』は、ネットフリックス手掛けたノア・バームバック監督作品。先月の『アイリッシュマン』に次いでの劇場公開です。ただし、ほとんど宣伝はありませんし、ネットでもそうそう露出があるわけではないので、ごく小規模な公開です。でも、いろんな映画賞にノミネートされたり賞を獲ったりしているようですので、観逃すわけにはいきません。てなわけで、アップリンク吉祥寺で鑑賞しました。

アダム・ドライヴァーとスカーレット・ヨハンソン(『キネ旬』流で言えば「ジョハンソン」)が夫婦役で主演です。カイロ・レンとブラック・ウィドウの夫婦ですよ! なんかすごいっす。地球規模の物語になりそうです。なりませんけど。

 

004_20191223232901

とにかく、リアルな展開に疲れてしまうような離婚物語です。夫婦の対決に、ニューヨークとLAの対立という要素も掛け合わされて、NY派の大江戸としては、(同性という要素に加えて)ますますもって夫を応援したくなってしまうのであります。あ、それって『アニー・ホール』的でもありますよね。 それにしても、弁護士を入れてのハード・ニゴシエーションを見てると、本当に嫌になってしまいます。この映画、離婚への抑止力効果もあるのでは…?

主役二人の好演に加えて、弁護士役のローラ・ダーンとレイ・リオッタもいい芝居しております。そして子供役の男の子もね。

001_20191223234201

愛の崩壊の凄まじさを描く映画では、ライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズの『ブルーバレンタイン』がありましたが、あれよりもコメディー的な空気をまとわせております。それでもやっぱり、苦い後味が残りますねえ。なにしろクライマックスが絶叫罵倒合戦ですから。あー、やだやだ。

いやなので、大江戸のベストテンには入らないと思います。でも今日び、こういうドラマって数が少ないので、時代の証言として残っていく作品なのかも知れませんね。

 

 

| | コメント (2)

2019年12月22日 (日)

「スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け」:9作品との併走、そして完結   #スターウォーズ #スカイウォーカーの夜明け

Sw9 映画『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』は、いよいよシリーズ最終のエピソード9。ジョージ・ルーカスが当初から計画していた通り、9作品をもっての完結と相成ったのであります。もっとも、20世紀フォックスは外れちゃったし、ルーカスフィルムはディズニーに買収されちゃったしで、エピソード7-10はルーカス構想とはだいぶ違ってるって話もあったりするようですし、それどころかこの先もまた続きを作るなんて話もあるようですが…。でも小生の場合、このシリーズにほとんど何の思い入れもないんです、実は。まあ、それでも1978年の第1作(エピソード4)日本公開から41年にもわたって、リアルタイムで新作を観続けて来たわけですから(トシがバレますが)、ある種の感慨はありますね。

なるほど、ハイテンポであれもこれもと色々詰め込んで、辻褄合わせて片を付けました。めでたしめでたしです。えっ!と驚くことも、おお!と感心することも、じーんと感動することもありました。特にラストなんかは、見事な台詞で見事に終わらせてくれたという印象で、絵も美しく、感銘を受けました。

そして、ほとんどレイの物語であり、その期待に応えてレイは奮闘しております。デイジー・リドリーの目力、顔力がいいですね。 (以降ネタバレあり) 年老いたルーク、レイア、ハン・ソロも再登場。もう亡くなっているキャリー・フィッシャーも無理なく登場しておりました(CG技術、すげーな)。でも、ヨーダやオビ・ワンなどが登場することはなく、それはちょっと残念でした。

_20191222_2152141024x1687 絵的にはかなりダイナミック。荒波の場面などは、かなり凄かったですよ。そして、全体の印象は歌舞伎。いやー、決めゼリフありの、見栄切ったりしーの、勧善懲悪。血のつながりと親子関係。派手なアクション。うーん、カブキです。ラストで定式幕を引いてほしかったぐらいです。むしろ講談なのかも知れませんが…。

思えば第1作を観たのは、マリオンができる前の日劇での特別公開でした。そして今日は、TOHOシネマズ日比谷。ナイス・セレクトではないでしょうか。劇場を出て、日比谷のペニンシュラの横の並木道に入ると、大きいBB-8が展示されておりました(こいつ丸くてかわいいよね)。

 

 

| | コメント (0)

2019年12月21日 (土)

「屍人荘の殺人」:驚きの設定と浜辺美波の面白さ   #屍人荘の殺人 #浜辺美波 #神木隆之介 #中村倫也

016 映画『屍人荘の殺人』にはかなり驚きました。というか、意表を突かれました。だって、予告編を見た限りでは、まさかこういう映画だとは想像だにできなかったのです。そりゃ誰だって想像できませんって。観た後には、「ああ、だからこのタイトルなのね」とか思うわけですけど…。

思っていたものとは違う部分も多かったのですが、一方で思った通りの部分もありまして、そこらに関しては面白かったといえば面白かったのです。このユーモア、この軽いノリ。さすがに脚本が『トリック』などの蒔田光治だけのことはあります。ダイアローグが面白いんですよねー。

 

017 そして、何と言ってもかんと言っても、浜辺美波が面白い! なんかちっちゃいのが懸命にやってる感じが、やけに面白いんです。白目をむいたり変顔も見せてくれますし、雲竜型の土俵入りやったり…困ってる時の言い澱み方なんて最高で、神木君演ずる葉村ならずとも「かわいい…」って思っちゃいます。いやー、ここまで良いコメディエンヌだとは思っていませんでした。今年の浜辺美波は、『アルキメデスの大戦』は正統派のお嬢様でしたが、『賭けグルイ』の狂ったぶっとび演技あり、本作ありと、かなり振り幅大きく女優としての可能性を広げてくれました。整ったキレイな顔立ちなのに、なんか素っ頓狂な面白さを感じさせてくれるんですよねー。

 

002_20191222001201 神木隆之介も安定のうまさでしたし(特に浜辺とのからみが最高)、32歳の中村倫也も無理なく大学生になってました。

まあ映画を観る限りでは、「なんでこれが『このミス』はじめ、いろんな賞に輝いてるの?」って感じではありますが、軽いお楽しみとしては、可もなし不可もなしってところでしょう。でも根本的問題として、「いらないよなー、こんな変な設定」ってのはあるんですけどね。 それよりもやっぱり、浜辺美波を見る映画なんですよ、とにかくこれは。衣装もかわいかったです。

 

 

| | コメント (0)

2019年12月20日 (金)

「アパレル・デザイナー」:唖然と困惑    #アパレルデザイナー #西村美柚

_20191217_1822041024x15951024x1595 映画『アパレル・デザイナー』を試写会で観たのですが、…いやー、なかなかの珍品でありました。「高嶋政伸26年ぶりの主演作」という触れ込みもなかなかですが、とにかくどこを目指して作ってんだかよくわかりません。BS-TBSの製作ですが、来年1月10日の公開劇場リストを見ると、東京はお台場の1館のみ! なかなかです。

(以降ネタバレあり) とにかく脚本がドイヒーで、申し訳ないけど「小学生向きですかい?」と思ってしまうあれやこれやに唖然。例えば、仕入れ予算と使いたい生地の値段が折り合わない時にとにかく頼み込むだけで、それで一旦断られても逆ギレ的に「なんで協力してくれないの?仲間でしょ。?」的に文句を言いつつ頼み倒すと、相手が「上司に掛け合ってみます」って、何それ?? 何の譲歩も交換条件もなしに、突然あっさりと解決って…。 まあ、一事が万事こんな感じです。

自分ら古株よりもセンスの良い新人の抜擢に腹を立てた3人が仕事をボイコットってことで飛び出して行って、ある日突然反省して戻って来るあたりもなかなかです。今どき子供向きドラマだって、そんな単純なプロット作りません。観客の知的レベルをものすごく低く見積もっておりませんでしょうか。

高島演じるデザイナーが相当厳しいらしくて、下の連中は「殺してやりたい」と思うぐらい大変なんだそうですが、ちゃんとそれを場面で(映画の絵として)描いていないので、言葉でそう言われても「はあ?」って感じでもありました。

そもそもデザイン画や製品が大したことなくて、ファッション系学生の習作ですか?って思っちゃうのですが、登場人物たちは「かっこいい!」って言ったり、服に合わせて精魂込めて作った靴にしても「別に普通に売ってますよね、こういうの」って感じで、もうまいっちゃいました。ツッコミ所が多過ぎて困惑してしまいます。

_20191220_2010561280x852 ファッションショー(いちおうクライマックス)のシーンでのモデルも何かヘン。動きもダンス風だったり、途中で歌っちゃったり。何より、まず服をしっかり見せることが出来ていないんです。それは映画全体に関しても言えることで、この題材なのに肝腎の洋服があまり魅力的に描かれていないのです。

終映後に、映画のショーの再現というか、作中のモデルさんたちがステージ(&一部客席)でウォーキングとダンスと歌を披露してくれました。

_20191220_2011481280x826

あと開映前には、脇役の女優さん2名とプロデュースの方が登壇してのご挨拶。靴職人役の(新人)西村美柚さん(写真右)だけは本作の中でいい感じだったので、今後伸びていってほしいですね。

| | コメント (0)

2019年12月19日 (木)

完成した国立競技場(&ホープ軒)   #国立競技場 #新国立競技場 #ホープ軒

_20191218_1426581280x571 先日完成した国立競技場(のまわり)に、昨日行ってきたのです。まだ周囲は覆いつきの柵に囲まれて、上の方しか見えなかったのですが、それでも大体のことはわかります。ついに完成したんですねえ。

_20191218_1422331280x677

千駄ヶ谷方面に近いブリッジあたりから見ると、こんな感じ。

 

_20191218_1422061280x667 そしてゲートの向かいにあるスケート場は、リニューアルしてこんなにオシャレになってました。これ、普通に撮った写真なんですけど、完成予想のCGみたいなキレイさです。

 

Dsc_39851280x720 千駄ヶ谷門はこんな感じ。チケット売場もありますね。各階にグリーンも目立ちます。

 

_20191218_1424111024x638 信濃町寄りの一角には、前の国立競技場のメインスタンドにあった「野見宿禰 (のみのすくね)像壁画」が移設されておりました。2枚のうちもう1枚も、どこかにあるのでしょうか?

 

Dsc_39991280x720 さすがに周囲も広いです。外形的には5層ぐらいになっているのですが、木材を多用していることがよくわかります。

 

あさって21日には嵐なんかも登場する完成お披露目イベントがあるそうなのですが、そのリハーサルらしき音響が流れておりましたよ。

 

_20191218_1348161024x1364 「杜(もり)のスタジアム」というコンセプトなんだそうですが、確かに各階層に植物が配されて、木材とともに「森感」を出しております。設計は隈研吾さんだから、「森のくまさん」ってことですね。

 

_20191219_1311581280x828 おまけに、新宿高島屋の13F庭園から撮った遠景です。うーん、完成しましたね。願わくはラグビー・ワールドカップに間に合わせてあげたかった(ゴタゴタさえなければ…)。

大江戸的には、一度は決まったザハ・ハディド案を推していましたし、今も「あれを見てみたかった」という思いは消えていません。でも、もうそれを言ってもしょうがないのでしょうから、今は早くこのスタジアムでサッカーを見てみたい思いでいっぱいです。上層階はけっこう角度があってすり鉢タイプなので、意外に見やすいスタジアムだというマスコミ評もありますしね。

 

_20191219_130901600x940 で、ついでにホープ軒でラーメンを食べました。久々だったけど、やっぱりうまいよねー。もやしとメンマとチャーシューだけのシンプルな具、そしてもっちり太麺に豚の背油たっぷりのスープ。油ギッシュに見えるけど、そんなにしつこくないんです。いいです。昔から、大江戸の好きなラーメンの双璧は、ここ「ホープ軒」と熊本ラーメンの「桂花」なのであります。

 

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月18日 (水)

日本男子、韓国に敗れる、のみならず…   #サッカー日本代表 #サッカー男子代表 #E1選手権 #日本対韓国

サッカーE-1選手権の第3戦にして決勝戦と言える日本vs.韓国。今回大会は韓国開催なので、完全アウェイ。日本は得失点差で有利なので、勝つか引き分けで優勝だったのですが・・・、結果は0-1の敗戦。

ドイヒー!! これはないでしょ。昨日同じように韓国との決勝を戦った女子代表(なでしこ)は、決して褒められた試合ではなかったけど、それでも終盤にPKを得て1-0で、3連勝しての優勝。ちゃんと任務を果たしました。岩渕、長谷川という飛車角抜きだったのに。しかるに、今日の男子は、選手たちも「なっとらーん!」って感じでしたし、森保さんの限界もますます見えちゃいましたし、年の最後に相当キツイ敗戦だと認識せねばなりません。前にも書いた通り、海外組はいませんし(これは韓国も同じ)、オリンピックを見据えてU-22メンバーを多く選考したメンバーではありますが、うーん、やっぱりレベルが代表じゃありません。

韓国だって別に良くはなかった、いやむしろ良くなかったんです。それなのに…。前半特に顕著でしたが、日本は韓国の素早いプレスに対応しきれず、ミスパスやバックパスが多くなる。そのうち韓国に押し込まれて、あるいはカウンターでピンチを迎えるって展開。前半で退いたマリノスの遠藤渓汰なんか、消極的なバックパスを繰り返して、そうでなきゃミス。腹立つぐらいひどかったです。 彼に代わって後半投入された相馬(鹿島)が今日のメンバー内では一番良かったので、余計ダメさが際立ちます。まあでも彼ばかりじゃなくて、上田も鈴木も森島も良くなかったし、それは中盤もDFも同じ。最後の交代で入った仲川<MVP>輝人も、またも消えてました。

それでも後半は韓国の圧力が落ちてきて、随分ボールを回してチャンスを作れるようになっていたのですが、アタッキングサードでの工夫がないというか、決められない。惜しいシーンすらほとんど作れないといったダメダメぶり。普通の日本なら同点にできた試合。そして女子とのアベック優勝を果たせた試合だったのに、残り10分になっても「勝ちに行かない」選手たちにあきれました。1点取って引き分ければ優勝だけど、このままだと負けて2位だってことがわかってないんじゃないか?と思うような選手たちの動きでした。ピッチでそれを指示したり鼓舞したりする選手もいないし、森保さんは必死に攻めさせないし…。いくらB代表的なメンバーだとは言え、いろいろとヤバすぎませんか。有効な手をほとんど打てない監督が、どんどん不安になっていくし…。2020年に黄信号が灯った気分です。

監督代えるんなら外国人でもいいですけど、日本人ってことなら、ちょうど反町さんが(松本山雅を辞めて)フリーになったところなので、いかがですか?

 

| | コメント (0)

2019年12月17日 (火)

「いだてん」と「グランメゾン東京」   #いだてん #グランメゾン東京 #宮藤官九郎 #のん #及川ミッチー

NHK『いだてん』が、15日に最終回となりましたね。終始視聴率の悪さが話題になった作品でしたが、質的には上々。面白かったなあ。特に終盤の、つまり1964東京オリンピック開催に向けてのあれこれには、毎回興奮したり感動したりしておりました。個人的には今までの大河ドラマの中で、一番だと思います。でもまあ、大河ドラマもともとあんまり見てないんです。三谷幸喜の『新選組!』は一応面白かったし、山南敬助(堺雅人)のキャラクターと切腹への展開が素晴らしかったんですけど。『いだてん』では、宮藤官九郎が「らしさ」や趣味性をい出しながらも、近代もの大河ドラマにふさわしい格とスケールを維持して、きちんと職人性も感じさせました。いい仕事じゃないですか。

失敗があったとしたら、前半(1~6月)がほとんどまるまる金栗四三がらみで、1964年五輪に向けての歩みは、半年間待たざるを得なかったということ。そして、中村勘三郎演じる金栗がヒャー!ヒャー!うるさいだけの魅力薄な男だったこと。 一年を通して、64年五輪への田畑政治(阿部サダヲ)を中心としたあれこれをじっくり描きながら、その間に過去の五輪の流れを回想的に入れる構成の方が良かったんじゃないかなー。結果論ですが。そして、クドカンさんだから落語を入れてくるのも、落語を使ってメタな展開にしてくるのもわかるんだけど、確かに一般的にはねえ…。「(落語パートなんて)別になくていいんじゃね?」と思う人が多いだろうってのもわかります。『あまちゃん』ぐらいストレートな作りにした方が良かったんでしょうね。

とは言え、大江戸はそんな本作を支持いたします。関東大震災の神回とか人見絹江の神回とか、凄いもん見せてもらったって感じでしたもん。終盤でも、大松監督と東洋の魔女だとか、浅野忠信の「政界の寝業師」だとか、充実しまくってましたから。終盤は駆け足になり過ぎちゃって、エピソードを掘り下げる時間もなくって、ちと残念。ペース配分間違えたよなー。でも大丈夫。きっと歴史が評価を上げてくれることでしょう。

2020東京オリンピックの岩手県内での聖火ランナーに「のん」さんが選ばれたとのニュースを聞いて、この最終回で聖火リレーを最終ランナーにつなげるラス前の女の子が、サプライズで「のん」さんだったらなあと思いました。似合ったろうに。壁は厚かったです。

 

で、TBS『グランメゾン東京』ですが、まだ2話残っておりますが、ベタな娯楽ドラマとして、よく出来ております。この時間帯の池井戸潤氏リーズ的な超ベタ通俗には至っておりませんが、それでもやはりかなりベタ。ただ、調理シーンの撮り方だとか、食材を字幕で出す演出とか、グルメものとして健闘しております。まあ実際の飲食店関係者が見たら、きっと穴だらけだと思いますし、この店ミシュランの星ってレベルじゃないと思いますもん。内装にしても、イスやテーブルにしても、客席間の間隔にしても、それ以上に接客やサービングのレべルにしても。ま、そこに目くじら立てちゃいけないんでしょうけどね。

木村拓哉はこれはどうしようもなく木村拓哉なのですが、それは良し。小生は相手役の鈴木京香が苦手なのですが、本作でもやっぱり…。あとは及川ミッチー! 相変わらず若々しく、軽妙洒脱。芸能界広しと言えども、ミッチーの演じる役ができる人はミッチー以外にいないですもん。ワン・アンド・オンリーです。

大体において、脚本がけっこうよく出来ております(そうでもない回もありましたけど)。とはいえ、それはベタなお約束の中での世界。そこを承知の上で、最後はめでたしめでたしとなることを信じて、各回の紆余曲折と小さな達成を楽しむのです。さてあと2回、どう転がりますか。2大ヒールの冨永愛、手塚とおるがケチョンケチョンにやっつけられて「吠え面かけば」いいのにと思う大江戸は、勧善懲悪の男です。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月15日 (日)

びっくりA代表で、香港に大勝   #サッカー日本代表 #日本対香港 #E1選手権

昨日行われたE-1選手権の日本代表の第2戦は、対香港。まあ韓国との第3戦を前に、この試合の持つ意味は明らかでしたが、それにしても初戦からスタメン全員を総とっかえというのはなかなかない事で、びっくりしました。おまけに大江戸でさえ知らない選手も何人かいて、これお茶の間の「日本代表」ファンの大多数にとっては、「はあ?」「これ、ほんとにA代表なの??」って感じだったことでしょう。

もともと海外リーグの選手は呼べない時期であり、しかも来年の東京オリンピック用にU-22の選手たちを多く選考しているってこともあり、初代表だらけのフレッシュ過ぎるメンバーなのです。CBの田中駿汰なんか大学生だし。

だから香港戦のキャプテンは大島僚太(川崎)でしたし、古賀、田中、渡辺という3バック全員が代表デビュー戦ってのは(しかも大江戸の知らない選手たちだったてのは)かなり珍しい状況だと言うしかありません。だって、クラブで出場できていない選手とかJ2の選手とかが何人もいるA代表なんて、空前絶後ですもん。

試合は5-0で当たり前に勝利しましたし、FW小川航基(水戸)は代表デビュー戦でのハットトリックを成し遂げました。でも「ゆるい」試合でした。8-0ぐらいにしとかんといけない試合だと思います。JリーグMVPを引っ提げて代表デビューの仲川輝人(マリノス)なんか、何のインパクトも残せませんでしたもん(お疲れでしょうか)。

収穫としては、大島僚太のパスがことごとく素晴らしかったことと、相馬勇紀(鹿島)が右サイドの攻撃を活性化しまくっていたこと。ぽっちゃり体型なのに(本人は体脂肪の少なさを強調してますが)タフなスタミナを持っています。

次こそが本番の韓国戦。きっちり勝っておくことが重要ですが、さて…。

| | コメント (0)

2019年12月14日 (土)

湘南、ギリギリでJ1残留   #湘南ベルマーレ #ベルマーレ #湘南対徳島

_20191214_1232141024x640 運命の一発勝負=J1昇格(残留?)プレーオフを観戦に、BMWスタジアムへ。ベルマーレがプレーオフを戦うのは初めてのことです。相手はJ2の4位からプレーオフを勝ち上がって来た徳島ヴォルティス。

スタジアムのメインスタンド最上段から西側を見やれば、おお、きれいな富士山がドーンと。 こういうの見ると、「ああ、(東京から)遠くなんだなあ。」と思ってしまいます。でも、この『東京温度』では、東京の飛び地として、(番外編でなく)普通に記事にしていきます。

 

_20191214_140218 全席完売になった(その割には入場者数は13,000人台でした。早く大きなスタジアムにしないと、もったいなくてしょうがありません。今年もJ1で一番低い動員数でしたから。席が取れない人も多いというのに。)スタジアム。今日は暖かくて、助かりました。

試合前の審判発表の際、「VAR」があると知って、おお!と思いました。VAR、来期からのJリーグ導入に先駆けて、この試合とか天皇杯の準決勝以上とかでテスト導入しているのですね。

 

_20191214_1359321280x723 入場時の緑と青のボードによるコレオグラフィーは、見事なものでしたし、「ベルマーレ Big Wave」の歌声にも力が入っていました。

徳島はキャプテンの岩尾とGK梶川がベルマーレ出身選手ですし、ベンチメンバーにも藤田征也がいたし、そういった意味でもこちらとしては負けられません。ってゆーか、そもそも先週以来ぜんぜん負ける気がしないんです。試合前には99%残留できるつもりでいましたし、先制点を取られてからも、90%はなんとかなるって気持ちでおりました。まあ、引き分けなら残留ってレギュレーションですからね。

 

_20191214_1359591280x599 試合はいつもと違って、メインスタンド右から左に前半の湘南が攻める形。よく見てなかったけど、徳島が奇策としてサイドを替えたのかしらん? それとも陽射しのまぶしさへの対応か何か?

 

_20191214_1403521280x796 ベルマーレがいつもの通り出だしは凄く調子良かったのですが(山崎が最高でした)、徐々にヴォルティスのペースに。そして20分にCKからの先制点を献上してしまいます。うーむ。何やってんだ。

その後も危ないシーンがあったりしましたが、0-1で折り返し。で、後半の頭から中川寛人(この人、最近よく使われている割には、いつも何のインパクトも残せていませんね)に代えてクリスランを投入すると、流れが変わってきました。 

_20191214_1506111280x750 そして64分にクリスランのパスから切り込んだ松田天馬がゴールを決めて、1-1! スタジアムの空気が一気に変わりました。やっぱり行ける!大丈夫!っていうポジティブさが広がりました。勝てる!勝とう! 

その後もゴールを狙いながら、しっかりと守って、追加点は奪えなかったものの、引き分けで終了。何とかかんとかでカッコ悪いけど、J1残留を果たしました。終了の笛と同時に、徳島の選手たちがピッチに倒れ込みました(湘南の選手も)。毎年テレビで見る光景です。

_20191214_1614001280x814 まあ、ほっとしました。湘南ベルマーレとして、J1で3シーズン目となるのは、初めてなのだそうです。味スタのFC東京戦でATに同点とされ、秋元に支えられながら泣いていたGK富井ですが、今日も同じでした。泣き虫ですね。まあ、今日は金子大毅も泣いていたのですが。

 _20191214_1529231280x765 一応「勝利の」とは言えないダンスが行われました。ロンドさんも困って、「踊りましょう」とだけ言ってました。

_20191214_1524231200x1588 夜には浮嶋敏監督の来シーズン続投も発表されました。ベルマーレのサッカーが継続されていくということで、これも悪い話ではありません。あとは、山崎凌吾をつなぎとめる事ができれば、それが最大の「補強」となることでしょう。とはいえ、いろいろと補強する必要はありますよね。

そしてキングベル一世も一安心。 へへー、神様兼王様のお力で、残留できましたー。これからもお支えくださいー。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月13日 (金)

「幸福路のチー」:私たちと同じ   #幸福路のチー #台湾アニメ

012 映画『幸福路のチー』は、台湾の長編アニメーション。公式サイトによると、「アニメーション産業不毛の地、台湾から突如生まれた」作品なのだそうです。実際、世界中でいろんな賞を獲っていますし、思った以上に素晴らしい作品でした。

絵は素朴というか大らかというか、精巧さや細密さとは対極のマンガ映画。小学生時代の主人公たちは、ほとんど『ちびまる子ちゃん』の世界です。男の子も女の子も、あんな感じ。お父さんやお母さんもあんな感じだと言えるでしょう。日本と台湾って似てますねえ。

 

006_20191213235201 そう、この映画、全編を通して「日本と台湾の人間って、思考もやる事も似ている」と痛感させてくれます。主人公の女性は1975年生まれという設定なのですが、風景や学生運動などの事件も含めて、日本だともっと前の世代と共通する部分も多いでしょう。でも最終的には、どの世代にも共通する普遍的な「人の営み」に着地しているあたりが、この作品の素晴らしさです。しみじみと、「ああ、おんなじだなあ」と思ったり、「あるある」「わかるわかる」と感じたりしながら、共感し感動するのです。

 

009 それにしても、政治的な変遷と社会的な事件や大地震、果ては9.11までもを背景に描きつつ、それら台湾の近代史という流れに重ねて、一人の女性とその家族や友人の生を描いていくという、ある意味「重い」話を、ほんわかしたアニメの絵で表現することによって、楽しく軽やかに進行していくというこの作品、いいです。感銘を与えてくれます。なんだか『この世界の片隅に』に似た方法でもありますね。また、家族をはじめ描かれる人々がみんなちょっとヘナチョコなキャラクター付けをされていて、そこらへんもこの作品の味やメッセージになっております。

監督・脚本のソン・シンインは、1974年生まれの女性です。きっと自分の事も反映させているのでしょうね。

 

 

 

| | コメント (0)

2019年12月11日 (水)

今日の点取占い298   #点取占い #点取り占い

_20191211_222958800x517 君の事を悪く言わないよ   6点

| | コメント (0)

2019年12月10日 (火)

サッカーE-1選手権:日本男子のドイヒーな初戦   #サッカー日本代表 #E1選手権 #日本対中国

サッカーE-1選手権が開幕しました。男子の日本-中国戦をテレビで見ましたが、いやー、日本ひどかった。いくら海外組がいなくても、U-22の選手を多数選出していても、ここまでひどいとは。正直、代表レベルじゃないですよね。

東アジア4カ国で戦うこの大会、きっちり韓国にも勝って優勝しなけりゃいけないんですが、不安になる出来でした。まあ、Jリーグ最終節が終わって中二日で、韓国への移動も含んでいたとはいえ、とにかくチームになっていませんでした。連動が全くできていないし、パスミスも多くて、…ここまで低レベルな代表戦も久しぶりというか、記憶にないぐらいです。J1のクラブならどこがやっても、今日の代表以上のサッカーはできたでしょう。

2-1で勝ちはしました。でも、2-0で勝たなきゃいけない試合でした。終盤の中国の得点シーン、ほんとに日本の守備が緩くて、球の出所にも飛び込んできた選手にもついてないという…。もうちょっと強い相手なら、大敗している試合ですよ、これ。

ただ、日本の1点目の素早いパス回しの連動だけは見事でした。あそこはほめていい。でもあとは…。 そもそも(いつも通りですが)森保監督の選手交代が、またしても遅い! 一人目の鈴木→田川が72分ってのも早くはないけど、二人目が84分、そして三人目は使わずじまいだってのは、いったいなぜ??? この監督への不満&不安の声が高まっているのがよくわかります。

でもあと2試合、なんとか奮起して、尻上がりになってほしいものだと切に願います。

 

| | コメント (0)

2019年12月 9日 (月)

セブンのキリマンジャロブレンド   #セブンカフェ #キリマンジャロブレンド #セブンのキリマン

_20191209_2242401024x645 セブンカフェのコーヒー、従来はブレンドのみでしたが、12月4日に「キリマンジャロブレンド」が加わりました。普通のブレンドは税込100円ですが、こいつは税込110円とゼイタクです(まあ、1割分)。店頭ポスターのコピーも、堂々と「青の贅沢」ってなってます。

で、カップの色も深いブルー(紺に近い)、セブンのロゴはゴールド、キャップは黒と、随分差をつけてます(ちなみに普通のコーヒーは白いカップに黒いロゴに白いキャップ)。随分とハードル上げちゃってますねえ。

_20191209_224221768x1085

 

しかして、その結果は! ・・・うーん、ハードル上げすぎちゃったんじゃないの? 大騒ぎするほどの事はないというか、そもそも大江戸はキリマンジャロってそんなに好きでもないというか…。

深煎りってことで、確かに澄んだ苦みが立っているんです。でもまあ、それだけ。大江戸的には、もっとコクがあって甘みを感じて適度な酸味もあるコロンビアみたいなふくよかな(愛想のよい)コーヒーが好き。こいつは男性的にソリッド過ぎるっていうかストロング・スタイルっていうか、その対極ですね。

てなわけで、2回試してみましたけど、もう普通のブレンドに戻そうと思います(10円安いし)。でもセブンのブレンドにもそんなに満足してるわけじゃないので、そのうち企画モノ第2弾、第3弾があったら、「コロンビア」とか、高くてもいいから「ブルーマウンテン」とかやってくれたらいいんですけどねえ。

| | コメント (0)

2019年12月 8日 (日)

「永遠の門 ゴッホの見た未来」:気持ちの良い催眠映像   #永遠の門 #ゴッホの見た未来 #ジュリアンシュナーベル #ゴッホ

4_20191208223101 映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』は、ジュリアン・シュナーベル監督がゴッホの晩年(と言っても37歳で亡くなっているのですが)を描いたフィクション。画家対画けど)。ゴッホって、よく映画になりますよねえ。それだけ世界中にゴッホ好きが多いのでしょう。

本作のゴッホは近年再ブレイク中のウィレム・デフォー。ゴッホの自画像には似ているような似ていないような…。しかも今年64歳のデフォーですから、(いくら人々の外見が昔と違っているとはいえ)無理があると言えばあります。

 

1_20191208224301 でも、この作品において、そんなことはどうでも良くなっちゃってます。ゴッホを通して世界の見え方を描くというか…。その「見え方」ってのは、ゴッホの見た目のようにしながらも、シュナーベルの視座なのかも知れません。美しい風景もあれば、足元を見つめる一人称映像もあります。映像のルックが独特で、非常に気持ちがいいんです。気持ち良すぎて、しばしば眠くなってしまいました。催眠効果のある映像なのかしらん。「詩」みたいな映画でした。

2_20191208224201手持ちカメラの多用で、揺れてる映像も多く、色も印象的な黄色を中心にコントロールされています。 あ、それと耳。片耳を切り落とした事件の後のゴッホは、あまり左耳を写さないような工夫をして撮られていますが、カットによっては、切り取った後の状態をCGIで作り出しています。現代ならではの映像処理ですね。

 

  (以降ネタバレあり) 牧師とのキリスト談義だとか、ピストル自殺との定説を覆す展開とか、自由に脚色しているのですが、脚本はなんと、ジャン・クロード・カリエール(!)とシュナーベルともう一人。カリエールって、ルイス・ブニュエルの『小間使いの日記』とか『昼顔』なんかを1960年代に書いてる人ですよ!それが半世紀以上も前のことなんで、ほとんど歴史上の人。今年88歳だそうです。驚きましたね。

 

| | コメント (0)

2019年12月 7日 (土)

「ドクター・スリープ」:キューブリック版「シャイニング」の偉大さ   #ドクタースリープ #シャイニング #キューブリック

003_20191207231801 映画『ドクター・スリープ』は、スタンリー・キューブリックの『シャイニング』(1980)の約40年ぶりの続編的先品。原作者のスティーヴン・キングはあの傑作をケチョンケチョンにけなしておりますが、この作品(もちろんキング原作)を観ると、その理由がよくわかります。魔の者たちを出して、事の因果をしっかり辻褄合わせていくのが、キング流。そういう下世話なことはしないのが、キューブリック流です。『シャイニング』に関しては、よく「モダン・ホラー」という表現が使われておりますが、まさにそういうところが「ゴリゴリの泥臭いホラー主義者」たるキングのお気に召さなかったのでしょう。

 

008_20191207233101 とは言え、この作品、ビジュアルから音楽からキャラクターに至るまで、『シャイニング』っぽい意匠がたくさん現れます。でも、それって昨年の『レディ・プレイヤー1』で既にスピルバーグがやっちゃったからなあ。あの映画の出現は、こちらの映画の製作陣にしてみれば青天の霹靂だったことでしょうが…。

こうして観ると、キューブリックの「絵造り」が、そのデザイン感覚が、どれだけ優れていたかが改めてよーくわかります。実際、『シャイニング』のフッテージも数カット使用されております。

 

013 時代を反映して、アフリカ系の女の子(カイリー・カラン)が最重要の超能力(シャイニング)の持ち主として登場します。彼女とユアン・マクレガー(大人になったダニー少年)の交流や共闘が本作の見どころです。この女の子、将来女優として大成しそうな予感が…。

ラスト30分ほどは、あのオーバールック・ホテルでの「決戦」。迷路も含めて、キューブリック版『シャイニング』のビジュアルに完全に揃えてます。でもねえ、最終的には「やっぱり『シャイニング』を観返したい」って思いが強くなっただけの映画でした(いや、DVD持ってるから、いつでも観返せるんですけど…)。

| | コメント (0)

2019年12月 6日 (金)

「ちくわぶの世界」って本!   #ちくわぶ #ちくわぶの世界 #丸山晶代 #小野瀬雅生

_20191206_2222251024x1350 先日発売されたこの本を買いました。『ちくわぶの世界』っていう魅惑のタイトル! 著者は丸山晶代さん。この人、TBS『マツコの知らない世界』の「ちくわぶ」の回に出てた人です。「ちくわぶ料理研究家」の肩書もお持ちのようです。

大江戸はちくわぶが大大大好き!(ついでにいえば、ほうとうもすいとんも白玉もトッポギもニョッキも好き)  なので、「待ってました!」って感じの本です。B6変型判というのかしら、小ぶりな本です。この表紙で、上の方が角丸になっているあたり、絵本を思わせます。

で、中身はカラーやモノクロの画像を豊富に使いながら、あらゆる角度から「東京下町のソウルフード」である「ちくわぶ」に迫ります。大江戸は実は東京山の手の人間なのですが、子供の頃から大のちくわぶ好き。東京圏は「ONE TEAM」となって、ちくわぶを振興させてまいりましょう!

工場見学レポートやら、おでん屋レポートやら、ちくわぶの歴史やら、小麦粉と粉もの文化の考察やら、ちくわぶ料理のレシピ集やら、まじめに研究してくれちゃってます。マニアックな愛に満ちた本です。

そして、クレイジーケンバンドのギタリスト=小野瀬雅生さん(のっさん)と丸山さんとの対談も! ちくわぶ愛に溢れた素敵な対談でありました。「ちくわぶ」は「CKB(クレイジーケンバンド)」ならぬ「CKWB」なのだと聞いて、うーむと思いました。

ああ、読んでるとちくわぶを食べたくなります。レシピが載っている「ちくわぶのからあげ」「ちくわぶチリソース」「ちくわぶチップス」「ちくわぶのアヒージョ」あたりは、特に食べてみたいですね。専門店作ってくれればいいのに!

 

| | コメント (0)

2019年12月 5日 (木)

「マイ・フーリッシュ・ハート」:陰鬱で楽しくない   #マイフーリッシュハート #チェットベイカー 

001_20191205222501 映画『マイ・フーリッシュ・ハート』はのタイトルとなっている名曲は、小生なんぞは「ビル・エヴァンスの」って思ってしまうのですが、そもそもは映画(邦題=『愚かなりわが心』1949)の主題歌で、多くのアーティストがカヴァーしているんですね。

というわけで、チェット・ベイカー最期の日々をフィクショナルに描いた劇映画なのですが、最期を迎えたのがオランダだってこともあり、アメリカ映画じゃなくてオランダ映画なんです。知らずに観たので、ちょっとびっくり。

 

002_20191205222801 で、とにかく暗いです。映像も暗いけど、そうじゃなくて映画の雰囲気が陰鬱で嫌になってしまうのです。そしてこのチェット・ベイカー役の俳優(スティーブ・ウォール=アイルランドのロック・ミュージシャンだそうですが)が、なんだか嫌~な感じに汚くて醜くて(まあ、ハッキリ言って臭そうで)、ダウナーな個性で、観ていてしんどいです。まあ写真で確認したら、晩年のチェットって確かにあんな感じなのですが、それはそれで辛いですね。トランペットから出る音は、あんなに美しいのに…。

 

004_20191205223801 オランダを舞台に、オランダ人俳優を出すためか、チェットの死の謎をさぐる刑事なんかを出すんですけど、これがまた暗いパートだし、映画的にヘタだし、全然面白くないし、まあひどいもんでした。それにしても、ジャズの巨人たちって、本当にみんな麻薬で滅んで行ったんですね。驚くほど誰も彼も。

本来DVDスルーのレベルって気がしますが、ちゃんと劇場公開されたっていうのは、やっぱりチェットの力(人気)なんでしょうねえ。87分と短いのが、せめてもの救いでした。

| | コメント (0)

2019年12月 4日 (水)

CKBの銀座ケントスLIVE!   #クレイジーケンバンド #CKB #銀座ケントス #のっさん

_20191203_2345291200x1600 昨日は銀座KENTO'S(着席で飲食しながら楽しめる大人のライブハウス)で、クレイジーケンバンドが初のライブってことで、同好の士たちと行ってまいりました。

2部制で小生たちは、夜8:30開場、9:30開演の第2部を楽しみました。時間が時間なので、うどんを腹に入れてから行ったのですが、まあフィッシュ&チップスとかナチョスとか野菜スティックとかを食べて、スパークリングワインとかワインとかを飲みながら1時間ほどを過ごします。なにしろステージまで10mもない距離なので、期待が高まります。

そして(いつも通りパンクチュアルに)9時半きっかりにCKBの登場。すると、最初からステージ前のフロアに陣取っていた人々に加えて、何人かが前の方に移動し始めます。これは行かねば!と、我々もステージ前に。おお、近い! うわ、手が届きそう! ステージとの間には柵もポールもロープも何にもナシ。高さだって、30㎝かそこらじゃなかったかな。ここまでとは思っていなかっただけに、もうオドロキ桃ノ木なのでした。

そこから終演までの1時間20分ほどは立ちっぱなし、踊りっぱなしで興奮、感動、満足してました。いつものライブに比べると半分程度の時間でしたが、そしてお値段も高かったのですが、満足度はハンパありません。こんな贅沢しちゃったら、もう普通のライブでは物足りなくなっちゃうことでしょう。遠くて。 大江戸はステージから2mぐらいの所(&のっさんの前)にずっといましたが、行こうと思えば、一番前のステージ先30㎝ぐらいの所まで行ける、そんな具合でした。

CKBの「お約束」としては、最初の方の「お辞儀~おおー~廣石組長の敬礼」とか「リクエストアワー」とか「剣さんのテレビ台ぐるぐる」とか「逃げろっ!」とかは、きっちりありました。しかしながら、「小野瀬雅生ショー」は無かったので、そこが残念。あと、「国王による乾杯」もありましたね。リクエストアワーで、剣さんが『横顔』の歌詞を忘れちゃって、2回ほどやり直したのにうまく行かずグダグダになってしまったので、ヤケクソ的&突発的に『大人のおもちゃ』を演奏してごまかすという、なかなか見られない場面にも遭遇してしまいました。

_20191203_2344121280x960 そして、やはりのっさんのギターはカッコ良かったです! ギターソロや間奏で聴かせてくれる、あの音!あのテクニック!あの表情(口元)!いやー、もうサイコーでサイキョーでした! 『肉体関係』や『タイガー&ドラゴン』におけるギターソロの凄さ!! 前半はライトブラウンの木目調、後半はエメラルドグリーンの、いつも見るギターでありました。大江戸の前方にはやはりのっさん目当てと思われるおじさん一人と女性二人も、ずーっと演奏を注視していらっしゃいました。

今回はクリスマス特集って感じで、『クリスマスなんて大嫌い!!なんちゃって』も歌ったし、最後に剣さんが退場した後にもアイシャちゃんのボーカルでクリスマスソング(ラストの1曲)がありました。その後に、のっさんのMCで終演。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。もう数曲聴きたかったけど、でも一晩2回公演ですからね。テーブルに戻って、残りのワインを飲みながら反芻&クールダウン。いやー、ただただ満足。生涯最良のライブ体験でありました。しかも、途中のMCで剣さんが「来年10月30日の日本武道館が決まった」と発表! うわー、これはまた楽しみなのであります!

 

 

| | コメント (0)

2019年12月 2日 (月)

「ターミネーター ニュー・フェイト」:女性の時代のターミネーター   #ターミネーター #ターミネーターニューフェイト #女性の時代

003_20191202230501 映画『ターミネーター ニュー・フェイト』は、あの『ターミネーター3』『ターミネーター4』『ターミネーター 新起動 ジェニシス』を無かったことにするかのように、広告コピーが「『ターミネーター2』の正統な続編」ってことになっております。ま、ジェイムス・キャメロン御大が満を持しての「製作・ストーリー担当」になっておりますからね。

で、観てみるとまさに「女の時代」の『ターミネーター』だなあって感じ。とにかく、女性がアクションして活躍しまくります。堂々としてます。この時代の空気がしっかりと充満しているのです。

 

004_20191202231601 60歳過ぎてめっちゃクールで、ハードボイルドで、カッコいいリンダ・ハミルトンが全体を締めます。この年齢でこういう感じのカッコ良さってのは、『グロリア』のジーナ・ローランズ以来じゃないでしょうか? 72歳のアーノルド・シュワルツェネッガーとの相性、バランスも申し分なし。 でも、強化型スーパー・ソルジャーのグレースを演じるマッケンジー・デイヴィスもかなり良いのです。アクションもできるし、押し出しが良いし、(ちょっとMattに似てるけど)今後に期待が持てます。

対する男性では、すっかり「不気味な強さ」みたいなものを失ったシュワルツェネッガーも、味わいとしては悪くないんですけど、見どころはREV-9に扮するガブリエル・ルナ。梶原善が思いっきりカッコつけたような顔でした。

 

005 アクションは切れ味鋭く、延々と徹底的にやります。逃げても逃げて、やっつけてもやっつけても、まだ追ってくる感じ。まさに本来の『ターミネーター』らしさと言える感覚です。

まあ、このシリーズにほとんど思い入れはないのですが、とりあえず楽しめる(正統な)続編には仕上がっておりました。

 

 

 

 

| | コメント (0)

« 2019年11月 | トップページ | 2020年1月 »