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2019年12月28日 (土)

「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」:すずさんが愛おしい   #この世界のさらにいくつもの片隅に #いくつもの片隅に #のん #すずさん

001_20191228234401 映画『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』は、『この世界の片隅に』に30分ほどの新たなシーンを追加した167分バージョン。最初から傑作だとわかっているのですが、しっかりと「より懐の広い作品」になっていました。

なにしろオープニングですずさん(のん)の声が聞こえたとたんに、もう涙腺に来てしまいましたから。後半なんかもう泣けて泣けて、やはり前作のあの場面、この場面で、何度観ても深い感動に滂沱の涙が溢れてしまいます。もちろん泣けりゃいいってもんではありませんが、この映画において、平凡な市民の暮らしを通して戦争を伝え、戦争を非難する姿勢は、そして人間に希望を見出していく姿勢は、本当に貴いものだと思います。

 

_20191228_2330541200x1750960x1400 追加された場面は、ほとんどTBSのドラマ版(松本穂香主演)に入っていたエピソードだったので、既視感があり、違和感はありませんでした(原作マンガのエピソードだそうなので、当然と言えば当然ですが)。すずさんに、より人間味が加わって、キャラクターに幅が出た印象。人によっては「全然別の作品になった」とか書いている人もいますけど、いえいえそんなことはありません。いずれにせよ、どちらも同じぐらいの傑作に違いありません。この公開で、さらに多くの人たちに観ていただきたいと思います。実写を含めた日本映画史上の十指に入る作品だと思うんですよね。観終わって、「ああ、すずさんが、すずさんの人生が、愛おしい」と思わずにはいられませんでした。

_20191228_2328201200x1859 この作品、新作扱いにしたら当然今年のベスト1ですが、まあそうはできないでしょう。後から追加製作したとはいえ、ディレクターズカット版に近いものがありますから。大江戸的には「特別賞」といったところでしょうか(また、今年の『キネマ旬報』の規定では、12/19までの公開作が対象なので、12/20公開の本作は対象外)。

前作同様、(この作品の東京における「本丸」とも言える)テアトル新宿で観ましたが、ロビーには片渕須直監督とのんさんのサイン入りポスターや、複製原画、すずさんの衣装(『映画秘宝』の企画でのんさんが着たもの)などが展示されておりました。

あと、この新作のプログラム、大型サイズで、文章・情報量も多くて内容充実の表紙含む40ページ! 税込1,000円はオトクです。

 

 

※大江戸の『この世界の片隅に』(2016)評はこちら↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/post-eac4.html

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