「永遠の門 ゴッホの見た未来」:気持ちの良い催眠映像 #永遠の門 #ゴッホの見た未来 #ジュリアンシュナーベル #ゴッホ
映画『永遠の門 ゴッホの見た未来』は、ジュリアン・シュナーベル監督がゴッホの晩年(と言っても37歳で亡くなっているのですが)を描いたフィクション。画家対画けど)。ゴッホって、よく映画になりますよねえ。それだけ世界中にゴッホ好きが多いのでしょう。
本作のゴッホは近年再ブレイク中のウィレム・デフォー。ゴッホの自画像には似ているような似ていないような…。しかも今年64歳のデフォーですから、(いくら人々の外見が昔と違っているとはいえ)無理があると言えばあります。
でも、この作品において、そんなことはどうでも良くなっちゃってます。ゴッホを通して世界の見え方を描くというか…。その「見え方」ってのは、ゴッホの見た目のようにしながらも、シュナーベルの視座なのかも知れません。美しい風景もあれば、足元を見つめる一人称映像もあります。映像のルックが独特で、非常に気持ちがいいんです。気持ち良すぎて、しばしば眠くなってしまいました。催眠効果のある映像なのかしらん。「詩」みたいな映画でした。
手持ちカメラの多用で、揺れてる映像も多く、色も印象的な黄色を中心にコントロールされています。 あ、それと耳。片耳を切り落とした事件の後のゴッホは、あまり左耳を写さないような工夫をして撮られていますが、カットによっては、切り取った後の状態をCGIで作り出しています。現代ならではの映像処理ですね。
(以降ネタバレあり) 牧師とのキリスト談義だとか、ピストル自殺との定説を覆す展開とか、自由に脚色しているのですが、脚本はなんと、ジャン・クロード・カリエール(!)とシュナーベルともう一人。カリエールって、ルイス・ブニュエルの『小間使いの日記』とか『昼顔』なんかを1960年代に書いてる人ですよ!それが半世紀以上も前のことなんで、ほとんど歴史上の人。今年88歳だそうです。驚きましたね。
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