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2019年12月26日 (木)

「家族を想うとき」:苦しきことのみ多かりき   #家族を想うとき #ケンローチ

004_20191226215901 映画『家族を想うとき』は、一昨年の傑作『わたしは、ダニエル・ブレイク』に次ぐケン・ローチ監督作品。ケン・ローチらしい社会の歪みへの異議申し立てです。ケン・ローチ83歳、怒ってます。そして観た者すべてが、辛さと悲しさに涙し、怒りに肩を震わせることでしょう。結論から言うと、『ダニエル・ブレイク』の方が傑作だとは思います。あの作品は「聖なる映画」の域に達していましたから。でも、この作品もそれに迫る強度を持っていますし、告発する力においては一歩もひけを取りません。

宅配便ドライバー(フランチャイズの自営方式)の過酷な仕事ぶりを見ていると、日本と同じだよなーと思わざるを得ません。いや、会社というバックのない個人営業の厳しさということにおいては(「名ばかり個人営業」ですけども)、日本以上の厳しさでしょう。むしろ日本のコンビニ(フランチャイズ)オーナーの置かれている、辛く搾取されまくる立場に近いかもしれません。

 

003_20191226222701 辛いブラック労働の上に、上司も仲間も敵というか、連帯して物事に当れないことの憂鬱さもあります。このような労働環境下で、主人公が肉体も精神も疲弊していくさまが丹念に描かれます。おまけに家族の問題まで、掛け算的にのしかかってくるのです。

さらに主人公の妻は介護師で、彼女の仕事もやはり時間的にも精神的にも厳しく辛いものなのです。本当にこの人はよくできた素晴らしい介護師なのですが、やはり仕事に加えて家庭の問題で擦り減ってしまいます。

006_20191226223701 実際にこんな状況だったら、多くの人が耐えられなくてどうにかなってしまいそうです。大声出して叫んだり、泣きわめいたり、気が狂ったり…。物語の中でも、妻が病院で人目もはばからず電話に怒りをぶつける場面は、この作品の白眉です。

このような不幸の連続パンチに対して、もっと周囲の人や同僚が(もちろん国やシステムも)支えて挙げられないものかと思ってしまいます。夫も妻も、たった一人でタフ過ぎる状況に立ち向かわなくてはならないのが、辛いのです。もう終盤は泣けてしょうがありませんでした。

こんな状況はおかしい! できるだけ多くの人に観てもらって、問題解決に向けて少しでも考えて、アクションしてほしい。そんな気持ちになる映画でした。

 

 

 

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