「フォードvsフェラーリ」:胸アツの2時間半 #フォードvsフェラーリ #クリスチャンベール #IMAXレーザー #胸アツ映画
映画『フォードvsフェラーリ』の原題は、“Ford v Ferrari”。「vs」じゃなくて「v」です。“versus”の省略形は、“vs”のみならず“v”も使われます。どちらも原則は“vs.”、“v.”とピリオド(省略符)つきですが、無いこともあります。昨秋のラグビー・ワールドカップ日本大会の公式サイトでは、“ENGLAND v SOUTH AFRICA”のように表記しておりました。 それはそうと「vs」のことを「ブイエス」と読むのって、気持ち悪いですねえ。「ヴァーサス」と読んでもらいたいものです。
てなことはともかく、文句なしに面白い映画でした。2時間33分を飽きさせず突っ走ります。胸アツになること請け合いです。
大江戸はペーパー・ドライバーで、クルマには全く興味がないのですが、この作品は楽しめました。いや、それ以上に熱くなりました。(ほぼ?)CGを使わぬナマの迫力とスピード感! レース・シーンの圧倒的凄さ! さらには、ドラマの(いかにもハリウッド的な)熱さ。 会社のおエライさんとレースやクルマ作りの現場との対立、軋轢が生むドラマ。ほとんど池井戸潤みたいなサラリーマンあるあるの世界でした。あの副社長の憎たらしさには、はらわたが煮えくりかえって、熱くムカつきました。 まあ、こういう敵役のヒールぶりも含めて、昔ながらのハリウッド映画の良さを受け継いだ良作だと言えるでしょう。
結局はフェラーリとフォードのトップの面子争いですもんねー。そのために兵隊は死屍累々…とまではなっておりませんが、外から見ている分にはロマンとか感動とか思いますけど、中の人たちにとってはかなり理不尽な厄介事だったりしてたんでしょうねえ。これまた企業の「あるある」です。ただ、フェラーリのオーナーが、敗れたレース終了後にケン・マイルズ(クリスチャン・ベール)に敬意を表していた描写は、良かったですねえ。車とレースへの敬意が、そこにはありました。
一方では友情や家族の映画になっているという二枚腰、三枚腰が、作品の厚みとなっています。で、その要としてマット・デイモンを寄せつけず、見事なドライバー&エンジニアっぷりを見せつけ、妻との愛情、息子との絆で、観る者の心情を揺さぶり続けたクリスチャン・ベールが、やっぱりさすがなのです。この作品の前は、デブデブのチェイニーを演じた『バイス』ですよ! まったくどうなってるんでしょうね、この人は!?
質の高い娯楽職人のジェームズ・マンゴールド監督、とても良い仕事です。これまでの彼のベストじゃないかなあ。
大江戸はこの作品、TOHOシネマズ新宿のIMAXレーザーで鑑賞しました。巨大スクリーンと鮮明な映像と最高品質の音響。いやー、凄かったですよ。血が騒ぎました。こういうの観たら、映画をタブレットやスマホで観ることは根本的に間違っていると思ってくれるはず…「映画館原理主義者」の大江戸としては、そのように思うんですけどねえ。
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コメント
アイアコッカがフォードでのしあがる時期でもあったのですね
投稿: R江 | 2020年1月17日 (金) 10時09分
そうですね。この映画のアイアコッカ、飄々と世渡り上手なおじさんにしか見えませんけど。
投稿: 大江戸時夫 | 2020年1月17日 (金) 22時36分
Blu-Ray で再鑑賞したところ、
メイキングが1時間ほどついており、映画の舞台裏を8パートにわたって詳細に紹介!
素晴らしかったですう
投稿: onscreen | 2020年5月 7日 (木) 07時38分
onscreenさん、お元気ですか?
そーなんだー。メイキングも見てみたいですう。
投稿: 大江戸時夫 | 2020年5月 7日 (木) 23時39分