「私の知らないわたしの素顔」:ビノシュ独演会 #私の知らないわたしの素顔 #ジュリエットビノシュ #怖いラスト
映画『わたしの知らないわたしの素顔』は、ジュリエット・ビノシュの演技を堪能する映画。メガネ教授のビノシュが、老いをさらけ出しながら、一方での華やぎも見せて、正気と狂気の縁(ふち)を行き来します。圧巻の演技力です。恋愛サスペンスにしてサイコスリラー、なかなか面白く見せてくれます。なかなかにエロいシーンもあって、Bunkamuraル・シネマのお客さんの中には戸惑う人もいるかも知れませんね。
SNS内での「なりすまし」恋愛という当世ならではの題材を、周辺の丁寧な描写によって説得力のあるものとしています。開巻最初のショットで、老婆のような、いやむしろデスマスクのような生気のない顔をさらけ出していたビノシュが、恋の輝きでぐいぐい若返って華やぐあたりもさすがですし、その後どんどん狂気に突き進んで行くあたりのじわじわ来るコワさもなかなかです。
(以降ネタバレあり)) そしてラスト! あれはダメですよねー、精神科医さん。彼女の罪の意識を取り去ろうとしたってのはわかるんだけど、あれを教えたらああなるのは必定でしょ。まずいよ、それはー。おかげで怖ーいラストシーンができました。
予告編にも使われている、ポンピドゥセンターのチューブ式エスカレーターの先端部にビノシュがたたずむ場面、あれ腰ぐらいまでの手すりしかないように見えて怖いんですけど、違うのかなあ? ガラス張りなのかなあ? その昔に行ったけど、どうなってたのか忘れちゃったなあ。
どうでもいいけど、この映画の監督サフィ・ネブーは大江戸と同じ誕生日でした=4月27日。年は違うけど。
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